中村俊輔選手が「世界の50人」に、日本人選手として5年ぶりの快挙。

2007/10/23 15:47 Written by コジマ

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今季も長い熱戦の火ぶたが切られた欧州サッカー連盟(UEFA)主催の欧州チャンピオンズリーグ。現在はグループリーグの真っ最中で、初のロシア・モスクワ開催となる来年5月21日の決勝、そして優勝カップ「ビッグイヤー」を目指して、A〜H組の32チームがしのぎを削っているのだ。

その中でも日本人にとって注目なのが、中村俊輔選手が所属するセルティック(スコットランド)。昨季は強豪マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)を破って史上初の決勝トーナメントに進出したのだけど、現在2試合が行われて1勝1敗となっている。チャンピオンズリーグでは1992年から敵地で1勝も挙げていないという点が気になるけれど、強豪ACミラン(イタリア)を破ってぜひとも2季連続での決勝進出を果たしてほしいのだ。

スコティッシュ・プレミアリーグではもともと強豪だったセルティックだけど、さらなる快進撃の原動力となっている中村選手は昨季、現役選手らによって選ばれるスコットランドPFA年間最優秀選手賞、スコットランド・サッカー記者協会年間最優秀選手賞を相次いで受賞し、同リーグのベストイレブンと年間ベストゴールにも選ばれた。スコットランドでは誰もが認める選手となっているのだ。

その中村選手が、フランスのサッカー専門誌フランス・フットボールが主催し、サッカー記者の投票によって決定する最優秀選手賞「バロンドール」の候補50人に選出されたのだ。バロンドールはフランス語で「黄金の球」という意味で、最初は欧州人選手が対象だったのだけど、95年にUEFA加盟チームの所属選手に拡大した。これまで日本人選手では98、99、01に中田英寿選手、02年に稲本潤一選手が選ばれているのだけど、選考対象が全世界に拡大した今年、中村選手の候補選出は2選手以上の価値が出てきているのだ。

中村選手のほか、昨年受賞者のファビオ・カンナバーロ選手(レアル・マドリード)や05年受賞者のロナウジーニョ選手(バルセロナ)をはじめ、カカ選手(ACミラン)、アンドレア・ピルロ選手(同)、フランチェスコ・トッティ選手(ローマ)、ウェイン・ルーニー選手(マンチェスター・ユナイテッド)、クリスティアーノ・ロナウド選手(同)、リオネル・メッシ選手(バルセロナ)、ルート・ファン・ニステルローイ選手(レアル・マドリード)などそうそうたる顔ぶれで、チーム別で最も多かったのは6選手のバルセロナ(スペイン)とレアル・マドリード(同)。国別ではイタリアが8選手で最多となっている。ちなみに、04年受賞者のアンドレイ・シェフチェンコ選手(チェルシー)は候補になっていないのだけど、候補発表前からカカ選手を推しているのだ

また、対象が世界に広がったことを示すように、米プロサッカーリーグに移籍したデビッド・ベッカム選手(ロサンゼルス・ギャラクシー)やカタール・リーグのユーニス・マフムード選手(アル・ガラファ)、ブラジル・リーグのロジェリオ・セニ選手(サンパウロ)なども選ばれている。「世界最優秀選手」と銘打っている国際サッカー連盟(FIFA)の年間最優秀選手候補が、すべて欧州チーム所属選手が選ばれていることと対照的なのだ。

「バロンドールの受賞者のいる国はワールドカップで優勝できない」というジンクス(「バロンドールの呪い」)があるそうだけど、こうしたメンバーの中で中村選手が何位になるのか、とても興味深いのだ。個人的には、03年からずっとベスト5に入りつつも毎年受賞を逃しているティエリ・アンリ選手(バルセロナ)が、そろそろ栄冠を手にしてもらいたいなあ。

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