亀田一家の処分決定、史郎トレーナーは無期限ライセンス停止に。

2007/10/15 18:52 Written by コジマ

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10月11日に行われた世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチで、王者・内藤大助選手への度重なる反則が問題となっている亀田大毅選手。また、セコンドについていた父の亀田史郎トレーナーと兄で世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級前王者の亀田興毅選手も、反則行為を指示した疑いでこちらも社会的な批判を浴びているのだ。

この試合で大毅選手が行った反則は、タックル、内藤選手の右まぶた上の傷をバッティング(頭突き)、サミング(目潰し)、もも打ち、ひじ打ち、ゴング後のパンチ、そして最終回の「レスリング行為」などなど多岐にわたっており、反則を受けた当の内藤選手はもちろんのこと、多くのボクシング関係者を驚かせたのだ。

また、セコンドの史郎トレーナーと興毅選手は11回にひじ打ちや急所攻撃を指示したとされているのだけど、これに対して興毅選手は「あれは亀田家のボクシング用語で『ひじを上げてしっかりガードして、目の位置を狙え』という意味。亀田スタイルの基本や」という苦しい弁解をしていた。

この試合について、史郎トレーナーは「セコンドについたトレーナーとして大毅の反則行為を止められなかったことを反省しています」、興毅選手は「オレが大毅に反則させるようなことは絶対にあらへん」、大毅選手は「今回は完敗やった。それは素直に認める」というコメントをそれぞれ発表しているのだけど、これはほとんど協栄ジムの関係者が作成したもので、史郎トレーナーがその内容に激怒しているという話も出てきている。こうなると、史郎トレーナーから申し出たとされる「亀田家は3カ月謹慎する」という反省の意も疑わしくなってくるのだ。

また、協栄ジムの金平桂一郎会長は「亀田大の言動について協栄ジムとして監督責任を重く受け止めています。同選手および関係者の不適切な言動は決して許されるものではありません。それに関するいかなる処分も甘んじて受けさせていただく所存です」という談話を発表しているのだけど、東日本ボクシング協会の理事であるにもかかわらず、所属のサーシャ・バクティン選手の世界戦交渉のためにロシアへ旅立ってしまっている。これについて、「逃げたんだろう」という関係者の意見も聞こえてきているのだ。

こうした中で15日に開かれた東日本ボクシング協会理事会では、大毅選手に対して「期限付きのライセンス停止処分」、史郎トレーナーに対して「無期限のライセンス停止以上の処分」、興毅選手に対して「期限付きのライセンス停止処分」を下すよう、日本ボクシングコミッション(JBC)に要請することを決定したのだ。興毅選手の“弁解”については、「話し合った結果、弁明とは受け取れない」(大橋会長)と一蹴している。さらに、理事会を欠席した金平会長については厳重戒告処分とし、始末書を書かせるとともに、ジム以外で練習している亀田家を管理下に置くよう誓約書を提出させることした。

これを受けてJBCの倫理委員会は、大毅選手に対して「ボクサーライセンスの1年間停止処分」、興毅選手に対して「厳重戒告処分」、史郎トレーナーは「セコンドライセンスを無期限停止処分」、金平会長には「クラブオーナーライセンスを3カ月停止処分」をそれぞれ決定したのだ。史郎トレーナーについては、試合前にレフェリーに対して行った恫喝・威嚇行為や、以前の試合で注意を受けていたことも処分の対象となったもよう。ただ、本人の行動についてはその期限が短くなる可能性もあるとしているのだ。

大毅選手が受けた「ライセンス停止」は「剥奪」に次ぐ厳しい処分で、反則が理由で日本人選手がこの処分を受けるのはここ10年で初のことなのだとか。多くの人が述べているように、ボクシング界への貢献度が高かった亀田一家だけど、今回の反則問題だけでなく、そのパフォーマンスに対して顔をしかめていた人が多かったのも確か。この処分によって、ボクシング界にどんな影響が出るかにも注目なのだ。

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