現代版「レ・ミゼラブル」、ドーナツ1つを盗んで実刑30年の可能性も。

2007/10/12 17:26 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


たったひとつのパンを盗んで、19年間の監獄生活を送ったのは「レ・ミゼラブル」のジャン・ヴァルジャンですが、米国でもなんと1人の男性がドーナツをひとつ窃盗したために、裁判の結果によっては30年以上の禁固令を受ける可能性が出来てしまったとか。

ミズーリ州はファーミングトンという町の「カントリー・マート」というスーパー・マーケットでは、以前から風邪薬、タバコ、加工肉といったアイテムが、時に万引きされて問題になっていたそう。なぜ風邪薬が盗まれるかというと、鼻づまりを緩和する「塩酸プソイドエフェドリン」という成分が、覚せい剤の原料となるので、多くの州では1度に買える量が制限されているためです。そのほか2つのアイテムについては、どうして万引きの人気商品なのか、個人的には疑問(笑)。

ところが先日、このスーパーでひとつ52セントのドーナツを盗んだ男性がいました。スコット・マスターズ容疑者(41歳)は、店内の一角にある陳列ケースの中からドーナツを奪い、そのまま支払いをせずに店を出たのを目撃されたのです。そして彼を止めようとした女性店員に、呼び止められると今度は彼女を押し倒し、そのまま逃げようとしたのです。しかし警察に通報され、さらにその店員に車で追跡されたこともあり、その直後御用に。

そしてこの時の「店員を押し倒した」という行為が、後でとんでもない結果を引き起こしたのです。ドーナツを盗んだだけなら単なる万引きで「軽犯罪」扱いだったのですが、暴力を使っての犯罪と扱われてしまい、「強盗」の容疑をマスターズ氏はかけられてしまったのです。彼はこの罪状を後日裁判所に出頭して初めて知り、とても驚いたのだとか。

さて、この「強盗」事件、犯人が有罪となると最高15年間の禁固令が待っています。さらにマスターズ容疑者の場合、度重なる前科(いずれも軽犯罪)があるためにさらに罪が重くなり、30年から終身刑までの刑期の可能性があるとか……。なるほど犯罪だって「ちりも積もれば山となる」ってことでしょうか。

マスターズ容疑者の裁判は来月まで続けられる予定ですが、果たして結果はどうなることやら。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.