営業距離数が短いながらも、東海道新幹線を抱えていることで有名なJR東海。近年は名古屋駅にギネス公認の「世界一高い駅ビル」JRセントラルタワーズを建てたり、リニアモーターカーの開発を打ち出したりなど、何かと話題になっているのだ。

そんなJR東海のCMと言えば、山下達郎の「クリスマス・イブ」が印象的だった「クリスマスエキスプレス」が有名で、「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンや「うまし うるわし 奈良」キャンペーンなど、洗練されているものが多かった。特に「そうだ 京都、行こう」キャンペーンCMは、艶やかな中にも物悲しい雰囲気があり、とてつもなく京都に行きたくなるのだ。

こうしたJR東海のイメージを覆すようなCMが関西限定で放送されており、話題となっているのだそう。なんでも放映開始前は1日約9万だった公式キャンペーンサイトのページビューが、開始後は1日13万に伸びているというからかなりの人気なのだ。

そのCMは、同社と旅行代理店4社が販売している「トーキョー☆ブックマーク」という商品のもの。この「トーキョー☆ブックマーク」を利用すると、東京−大阪間の「ひかり」での往復と有名ホテルでの1泊が、同区間の「のぞみ」運賃（2万8100円）より3000ほど安い値段で買えるのだ。

CMは5種類あり、関西以外の地域でも「OLの場合『刺激不足』篇」「夫婦の場合『夫婦出張』篇」「おばちゃんの場合『ヒョウ柄』篇」「ビジネスマンの場合『出張』篇」の4種類が公式キャンペーンサイトで視聴できるようになっている。どれも、関西弁を話す登場人物が「じゃ、東京行っちゃう？」のセリフをきっかけに新幹線で移動し東京へと到着するという内容なのだけど、関西限定での放映は、同社にとって初の試みなのだとか。

この中でも特にスゴイのが「ヒョウ柄」篇。ヒョウ柄の服を着た2人の“大阪のおばちゃん”が登場し、東京に移動すると六本木ヒルズで買い物をしながら「セレブやでえ！」と叫ぶのだ。試写会でこのCMを見た幹部社員が、「イメージが悪くなるから、東京では放映しないだろうな」（産経新聞より）と念を押したのだとか。たしかに、関東人にとって「大阪のおばちゃん＋ヒョウ柄」は強烈すぎるかも。そういった面では、他のローカルCMと同様の存在なのかもしれないのだ。

このCMは10月14日までの期間限定だそうで、それまでに効果を見極めるとのこと。サイトへの誘導に効果があったけど、売り上げが伸びれば今後も続編が作られるかもしれないのだ。