都内タクシーが10年ぶりに7%値上げ、初乗り上限は710円に。

2007/10/05 15:24 Written by コジマ

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飲酒時や深夜の足として活躍してくれているタクシー。ぼくは電車で寝過ごすことが多いので、終電後にはかなりお世話になっているのだ。タクシーに乗る際に、気になるのがその運賃。東京都内のタクシーの初乗り運賃は660円(2キロ)が上限なのだけど、タクシー会社によってさまざまで、深夜割増も3割と2割が存在する。初乗り運賃は650〜660円が大半なので、深夜に乗る際は割増が2割の車を探すようにしているのだ。

そんな東京地区(23区と武蔵野市、三鷹市)のタクシー運賃が、消費税率が3%から5%になった1997年以来、10年ぶりに値上げされることになった。値上げ幅は7%で、初乗り運賃の上限は2キロ710円、走行距離などに応じて加算されていく料金も、現在の274メートルにつき80円から90円になるのだそう。

実際には、今月下旬に開かれる予定の物価問題関係閣議で了承を得たうえで国土交通省が認可することで決定するのだけど、国交省が認可する方針を固めたため、ほぼ確定といった状態なのだ。メーターの交換などから、実質の値上げ開始は11月下旬から12月上旬になる見込みだとか。

タクシー運賃は電車やバス、電気、ガスなどと同じ公共料金の1つとされているため、国交省(運輸局)の認可が必要とされている。その地区で走るタクシーの7割以上分を持つ複数の会社が申請することによって審査が始まるのだけど、昨年6月以降、全国90地域中51地域が申請しており、今年に入ってから長野県2地区、大分県、長崎県、秋田県2地区、沖縄県で実施され、名古屋地区も10月19日に実施されることが決定しているのだ。

東京地区も平均18.7%の値上げを申請しており、今年5月末に認可され、初乗り運賃の上限が750〜810円に引き上げられることが報じられていた。東京地区のタクシー運賃は首都圏の物価に大きく影響するため、国交省の認可の前に内閣府の物価安定政策会議の審議や物価問題関係閣僚会議の了承を得ることが必要とされているのだけど、この値上げに次々と異議が唱えられたので、今年5月に異例の再議論を行うことになった。さらに、7月に行われた参議院議員選挙の影響から棚上げされたままだったのだ。

結局、当初よりも値上げ幅は狭くなったのだけど、タクシー運賃の値上げはぼくらにとって痛いのは事実。タクシー業界は02年の規制緩和から新規参入が相次ぎ、東京地区の法人タクシーの台数はここ10年で11%増加した一方で客数は3%減少し、原油高の影響もあって台所事情は苦しい。運転手の年収は10年で23%も低下しており、全産業平均との差は広がるばかり。05年の調査によると、全国のタクシー事業者1790のうち12%にあたる206事業者が最低賃金違反をしていたのだそう。しかも、年間労働時間は全産業より204時間も多いのだ。今回の値上げが客離れを促進し、さらに苦しい状況にならなければよいけど……。

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