2人組の強盗、催眠術を使ってコンビニ店長から現金を奪う。

2007/10/01 11:44 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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「コールド・リーディング」という話術をご存知ですか? これは話している相手の年齢、服装、顔色、またしぐさや口調を細かく観察することで、何気ない会話の中でもいろいろな情報を読み取るという技法です。

「わたしはアナタのことを、アナタよりも知っている」

と信じ込ませるテクニックであり、相手はまるで心の中を見透かされたように思ってしまうのです。まあ、一種の催眠術でしょうか。このテクニックは詐欺などの犯罪に悪用されることもしばしばですが、普段の生活の中で、しかも自分でも気づかない内に、この「コールド・リーディング」を利用するケースも少なくないそうです。

さて先日、ニュー・ハンプシャー州のマルボーロという町で起こった事件。とあるコンビニエンス・ストアの店長であるヨージェッシュ・パテルさんは、ある日2人の年配の男性が店に入ってくるのに気が付きました。ターバンをした彼らはインドから来た「僧侶」であると語り、同じくインド出身のパテルさんにいろいろと話しかけてきたのだそうです。

するとその内、彼らは自分たちは超能力者であり、パテルさんのことならなんでも知っている、といい出したのです。最初は信じられなかったパテルさんですが、彼らが口にする「回答」のいくつかがその通りだったために、驚いてすっかり信頼してしまったとか。もちろん、この僧侶たちは上記の「コールド・リーディング」を使っていただけのことだったのですが……。

さて、すっかり相手が超能力者だと信じきったパテルさんは、会話が進めば進むほど、彼らのいいなりになってしまいました。そして遂には、「自ら進んで」お店のお金を彼らに渡してしまったのです。

しかしその後、興奮が収まり冷静になったパテルさんは大変なことになったと、顔を真っ青にします。警察に連絡し、1,000ドル騙し取られたと訴えました。警察も最初は彼の話しが信じられなかったそうですが、お店に設置された防犯カメラのビデオを確認して納得。この男たちを強盗犯人として指名手配しました。

それにしても、武器なしにしてお金を奪っていくとは……。マルボーロでは他のコンビニでも同様の被害が起きないよう、注意を呼びかけているそうです。

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