米国の肥満防止授業に反発も、体育の増加で休み時間廃止へ。

2007/09/11 00:41 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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ウォール家の娘たちが通う小学校では、子供たちの運動不足による肥満を防ぐために、毎日必ず30分ほどの体育の時間があるのだとか。日本の小学校と比べると、ずいぶん体を動かすことに重点が置かれた時間割ですよね。しかも毎月必ず1マイル(1.6キロ)走のテストもあるらしいのです。親でもそれだけ走れない人も多いというのに、頑張ってるなぁ子供たち(汗)。

しかしこうして体育科の授業を強化する傾向にある学校は、全米に増えているのだとか。フロリダでも今年から「小学校の時間割に最低でも週150分の体育を取り入れること」というのが州法として義務付けられたそうです。

ところが同州の多くの学区では、体育の時間は70分ほどしか今まで割り当てられておらず、しかも他の授業もすでに時間割いっぱいにというのが現状。そこにさらに運動の時間を増やすとなると、ほとんど不可能に近い……。

そこでいくつかの小学校では、なんと休み時間を一切廃止せざるを得なくなってしまったのです。休み時間の代わりに体育の時間かぁ。これには教育専門家からも批判の声が出ているそうです。

「学校は勉強だけではなく、子供たちが社交性を学ぶ場所。子供同士が自由にコミュニケーション出来る休み時間がなくなるのは、いかがなものか」

というのが今回の法律に反対する、おおむねの意見です。しかも法律が出来たはいいけれど、きちんとしたガイドラインは与えられておらず、さらに教師(アメリカでは小学校でも体育は専門の教師が受け持つ)の不足もあって、仕方なくクラスの担任の先生が子供たちを外で走らせたり、クラス内で軽い運動をさせる……といった状況になっているそう。

確かに米国では今肥満人口が増加し続けており、子供の健康管理に重点を置いたカリキュラムが出来たのは歓迎すべきこと。しかしかといって、授業のみのスケジュールというのも、子供にも先生にも負担は大きいような気がします。これは意見の分かれるところですねぇ。

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