鳥取砂丘に「HUCK」と巨大落書き、犯人は名古屋大のサークルか。

2007/09/09 18:18 Written by コジマ

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鳥取市の日本海岸にある日本最大の砂丘、鳥取砂丘。その規模は東西16キロ、南北2キロにわたっており、ラクダや馬車が行き交う観光地であるだけでなく、砂漠緑地化の研究場所としても活躍している。強い海風によって作られる美しい「風紋」も有名なのだ。

この鳥取砂丘が最近、北海道テレビ放送(HTB)の人気番組「水曜どうでしょう」による不祥事でクローズアップされた。これは、7年前の企画で同番組の出演者たちが鳥取砂丘の砂を持ち帰ったことが自然公園法の禁止事項に抵触していたというもので、HTBが謝罪する事態に発展した。このニュースによって、鳥取砂丘が国の天然記念物であること、また、国立公園では環境大臣の許可を得なければ砂といえども持ち帰ることができないということを初めて知った人も多いのではないだろうか。

さらに、同じ企画内で鳥取砂丘に番組名を大書したことも取りざたされた。こちらも自然公園法違反で、HTBは環境省から文書で厳重注意を受けて再度謝罪をしている。ぼくは「水曜どうでしょう」の大ファンなのだけど、違法行為なだけでなく観光地の景観を損なうという点でも、ちょっと軽率な行動だった気がするのだ。

こうして、「鳥取砂丘の砂は持ち帰ってはいけない」「鳥取砂丘に落書きしてはいけない」ということが全国に知れわたったのに、またもや鳥取砂丘に落書きされるという悲しい出来事が起こってしまった。落書きされたのは、「馬の背」と呼ばれる海から2番目の第二砂丘列。落書きは縦約15メートル、横約50メートルにわたる巨大なもので、英文で「HUCK」と書かれている。読売新聞によると、若者10〜20人のグループが足で掘っていたそうで、「HUCK」はグループの略称なのだとか

この落書きをしたグループが、名古屋大のアドベンチャーサークル「Huckleberry Finn(ハックルベリーフィン)」ではないかと、ネット上で話題となっている。「Huckleberry Finn」は名古屋大学を中心にさまざまな大学が参加するインカレサークルで、1990年に発足した。現在は81人が参加しているとのことで、おもな行事は「ラリー」と呼ばれる徒歩での旅行。数十人で160〜170キロの行程を1週間かけて踏破するというものだそう。「AmebaVision」で05年に行われた「ラリー」のようすが公開されているのだけど、学生たちの楽しそうな雰囲気には、思わず目を細めてしまうのだ。

「HUCK」が略称という点でもぴたりと一致するのだけど、今年は兵庫県の新舞子海水浴場から鳥取砂丘までの160キロで行われた「ラリー」について書かれた同サークルのブログ(現在は削除済み)では、「鳥取砂丘に名前を刻んできました!」とのコメントとともに「HUCK」と書かれた砂丘の写真が掲載されている。うーむ、これは間違いないようなのだ。「ウィキペディア」の「鳥取砂丘」の項目では、「事件」として「2007年9月8日 名古屋大学のアウトドアサークルによって縦約15メートル、横約50メートルにわたり「HUCK」と書かれた落書き事件」という記事が、写真とともにアップされている。

ペンキで書いたものでないので時間が経てば消えるかもしれないし、160キロを踏破したうれしさのあまりにやっただけのことかもしれない。しかし、「水曜どうでしょう」と同じく自然公園法違反であることは紛れもない事実で、美しい景色を求めて訪れた人たちを裏切る行為でもある。実際に、訪れた観光客はからは「遊び半分だとは思うが、観光客にとってはショック」「何を考えてるのか分からない。自然を大切にする心を持たないと」(読売新聞より)という怒りの声が上がっているのだ。

同サークルの公式掲示板は「炎上」しているのだけど、歴史あるサークルのようなので、新入生やOB・OGのためにも早期の謝罪と解決が求められるのだ。

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