マカオに世界最大級のカジノがオープン、米大手によるベネチア風。

2007/08/29 17:00 Written by コジマ

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1999年末にポルトガルから中国に返還され、特別行政区となっているマカオ。現在はさまざまな産業が成長しつつあるのだけど、最も有名なのが「東洋のモンテカルロ」といわれたほどのカジノなのだ。ツアーや香港旅行のオプションとして日帰り観光が用意されているなど、日本からも多くの人が訪れている。最近、日本のギャンブル好きの間では日帰りで行ける韓国のカジノが流行っているようだけど、規模の大きさから「やっぱりマカオに行きたい」とする人が多いみたい。

マカオのカジノ経営は「マカオの盟主」といわれたギャンブル王、スタンレー・ホー(03年度の納税額はマカオ政府歳入の3割を占めていたのだとか)が独占してきたのだけど、02年に国際入札を実施したことによって香港系と米国の会社に開放。現在は23社が運営しており、昨年末にカジノ収入で米ラスベガスを抜いて世界一となったのだ。

その23社のうちの1つで、「サンズ・マカオ(金沙娯楽場)」を運営する米カジノ大手のラスベガス・サンズが、世界最大級となるカジノリゾート「ベネチアン・マカオ・リゾート」を8月28日にオープンしたのだ。施設内に3000室を備えたホテルや1万5000人収容のコンサートホール、アリーナ、350の高級ブランドが軒を連ねるショッピングモール、5万人収容の国際会議場などが併設されたアジア初となるラスベガス方式で、その広さはテーブル約800台、スロットマシン約6000台が設置されたカジノエリアだけでも東京ドームより一回り大きい5万平方メートル。同社が運営するラスベガスの施設「ベネチアン」同様、イタリアの水上都市ベネチアを模しており、ショッピングモールの中にはゴンドラが浮かべられる3つの運河が流れているのだ。

今回の投資額は22億ドル(約2500億円)なのだけど、同社はマカオ政府から約100万平方メートルの土地を75年間契約で借り上げており、ここに1兆円を超える額を投じてアジア版ラスベガスを築き上げる計画なのだとか。今後は、シェラトン、ヒルトン、フォーシーズンズなどの有名ホテルが建設される予定で、最終的に総客室数は約2万室になるのだそう。ラスベガスまで行かなくても、世界最高峰のエンターテイメントが味わえるようになるのだ。

オープン前には米国人歌手のダイアナ・ロスが出演したショーが催され、今秋に米プロバスケットボール協会(NBA)の試合やコンサートが予定されているそう。こうした目的で訪れる人が増えることも期待されているのだ。マカオ空港に近い埋立地「コタイ」地区に位置しているため立地条件も良く、マカオは「カジノの街」からラスベガスのような「エンターテイメントの街」に生まれ変わりそう。マカオ政府や中国政府も大いに期待しているようなのだ。一般客向けの開業は9月2日(日本では「くじの日」)となっている。

一方で、マカオの産業の一翼を担う花火の国際大会が9月15日〜10月1日に開催される。日本、英国、米国、中国など計10カ国・地域が参加して花火の美しさを競うもので、日本チームは9月29日の午後10時に参加する予定なのだとか。今年の秋は、カジノと花火を味わいにマカオを訪れても面白いかも。

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