乾電池1本で駆動するPHS、ウィルコムと三洋電機が端末を試作。

2007/08/25 14:54 Written by コ○助

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携帯電話やPHSで出来ることが増えるにつれ、電池の消費スピードも比例するようにアップ。それでも使い勝手を損なわないように、日夜電池の技術革新が進められているなりが、機能アップの速度と電池の技術革新の速度は若干前者のほうが速く、「新しい機能を使い続けると電池の消費が速くて困る」と不満を漏らすユーザーは少なくないなりよね。

そうした中で、近年、ひとつの方向性として出始めているのが機能を絞ることで消費電力を抑える端末。複雑化、高機能化していく携帯電話やPHSに付いていけない、もしくはそれらの機能を必要としないユーザーを対象にした端末が必要になってきたことの副産物的な意味合いもあるなりが、いわゆる「簡単ケータイ」と呼ばれるようなシンプルな機能の端末は、総じて連続通話時間や待ち受け時間が長く、電池持ちを第一に考えたいユーザーには概ね好評のようなりよ。

そして、こうした流れをさらに突き詰めた端末が、ウィルコムと三洋電機のコラボによって誕生したなり。三洋電機の充電池「eneloop」の単3型一本で動作するPHS端末のプロトタイプが、東京ビッグサイトで開催されているイベント「グッドデザイン・プレゼンテーション2007」に出展されたなりよ。PHSは携帯電話に比べると、もともと消費電力の低さ(=連続通話時間や待ち受け時間の長さ)が特徴のひとつでもあるなりが、このプロトタイプは「eneloop」1本で連続通話時間約5時間、連続待受時間約250時間を実現しているなりね。

ここまでの低消費電力が実現できたのは、このプロトタイプが液晶ディスプレイを含め、通話以外の機能を一切排除した超シンプルな端末だから。あまりにシンプルな端末ゆえ、普段使いの端末として実用的かどうかには疑問符が付くものの、災害時には活躍してくれそうな予感がするなりね。

「災害時には充電できる環境がないのだから、『eneloop』では意味ないのでは」と感じるかもしれないなりが、「eneloop」は自然放電を極力抑えることに成功した極めてエネルギー効率の良い充電池で、1度フル充電してしまえば、1年間放置していても約85%は残存するスグレモノなりよ。つまり、非常用の災害袋などにポイッと入れておいて、1年に1回くらい充電してあげれば、いつでもちゃんと使えるわけ。通常の乾電池を災害袋に入れている人も多いと思うなりが、「eneloop」のほうが液漏れのリスクも少ないし、何より使い捨てないので環境に優しいところもポイントが高いなり。また、太陽電池充電器と組み合わせれば、被災時に電池を使い切ってもいつでも簡単にチャージできるのも嬉しいなりね。

プロトタイプの端末はウィルコムのW-SIM対応端末のため、災害時には通常のPHS端末からW-SIMを抜き出して、電池持ちの良いプロトタイプ端末のほうに差し替えて使うということも。機能を削いで、液晶ディスプレイも取っ払って……と、かなり部品も絞っているので、端末コストも安く上がりそうなりよ。そうすれば、家の各部屋の災害袋に1台、家族1人1台といった使い方もできそうなりよね。

もちろん、こうした環境を最大限に利用するには、ウィルコムのPHSが携帯電話並みに普及していかなければ絵に描いた餅で終わってしまうもの。ここのところ好調とはいえ、まだまだ携帯電話各社とは相当な開きがあるだけに、ますますのPHSの健闘に期待したいなりね。今回のプロトタイプ端末はまだ商品化の予定はないそうなりが、PHSの「将来」が少し見えてくる端末だったなり。

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