JR東日本の「ポケモンスタンプラリー」に大人の姿、転売で荒稼ぎ。

2007/08/20 21:03 Written by コジマ

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夏休み中、子供たちの楽しみとなっている鉄道のスタンプラリー。ぼくも子供の頃、父に連れられて挑戦した記憶があるのだ。そのスタンプラリーの中でも人気を集めているのが、アニメ「ポケットモンスター」の登場キャラクターを題材としたJR東日本の「ポケモンスタンプラリー」。開始から10年目を迎える今年、スタンプ台の行列に、子供たちに交じって保護者でない大人の姿が多く見かけられたのだとか。その手には何冊ものスタンプ帳。目的は転売のようで、純粋に参加している親子からは不満が続出しているのだ。

1997年に始まった「ポケモンスタンプラリー」は、ディズニーキャラクターを採用した01年を挟んで今年で10年目。今回は、首都圏95駅に95種類のスタンプが設置された。参加方法は、まず7月末に配布された専用パンフレット兼スタンプ台を入手し、6つのスタンプ押してゴール駅(東京、品川、新宿、池袋、上野、松戸)にあるラリーカウンターへ持っていく。すると、95種類すべてのスタンプが押せる「ラリー記念スタンプ帳」と「ピカチュウサンバイザー」、「JR東日本オリジナルピカチュウパスケース」がプレゼントされるのだ。

さらに、すべてのスタンプを集めて400円分の定額小為替とともに応募すると、もれなくモンスターボール型の置時計「JR東日本オリジナルポケモンクロック」が当たり、抽選で今秋発売予定のニンテンドーDSソフト「ポケモン 不思議のダンジョン(時の探検隊/闇の探検隊)」が25人ずつにプレゼントされる。また、東京や横浜にあるポケモンセンターなどにスタンプ帳を持っていくと、缶バッジがもらえるのだ。

このスタンプラリーに参加している大人たちは、スタンプ帳と景品をネットオークションに出品することが目的だそう。実際に「Yahoo!オークション」を見てみると、95駅のスタンプをコンプリートしたスタンプ帳やパスケース、サンバイザーなどのセットがたくさん出品されていた。置時計はセットになっていないものの、どれも1000円以上の値がついていたのだ。夕刊フジでは、平均落札価格を約4000円とし、8740円の高値で落札されたケースも紹介している。

しかし、スタンプ設置エリア内のJR線と東京モノレールの全線が乗り降り自由な「ホリデー・パス」を利用しても1日で2300円(子供は1150円)かかる。夕刊フジによると、95種類を制覇するには少なくとも2日はかかるそうで、4600円+2日間の労働が必要となるのだ。一見割りに合わないように感じるけど、大人の参加者は何冊も持って参加していたようで、数冊あれば十分に元が取れてしまう。中には20冊近くも持っていた人がいたそうなのだ。

何冊も持っていたのは親子連れでもいたようで、子供とともに“荒稼ぎ”をしていたのかも。こうした人に対して、通常の参加者からは「(何冊も押すので)たくさん親子連れが並んでいるのに、時間がかかってすごく迷惑」という不満が漏れており、JR東日本も転売目的の参加に不快感を示している。同社は「転売の事実が確認できれば、今後、対策を検討する可能性がある」(夕刊フジより)としているので、オークションが中止される可能性もありそうなのだ。

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