ヤンキースが井川慶投手の保有権放棄、パドレスとトレード交渉も。

2007/08/12 05:40 Written by コ○助

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阪神時代に残した通算86勝60敗1セーブ、防御率3.15、1,174奪三振という輝かしい実績を引っさげ、昨年オフにポスティングシステムによるメジャー挑戦を表明。ヤンキースが2,600万ドル(約30億円)で入札し、入団交渉の結果、5年総額2,000万ドル(約23億7000万円)の超大型契約を結んだ井川慶投手だったなりが、シーズン開幕からメジャーの強打線にボコボコにされるシーンばかり。現在までの成績は12試合に登板、2勝3敗、防御率6.79と散々で、7月27日には2度目のマイナー降格を言い渡されたなりよ。メジャーにうまく適応できず、もがき苦しんでいる状態なりね。

ヤンキースが井川投手の獲得に費やした金額が54億円近く。それだけに開幕前からニューヨークのメディアやヤンキースファンは相当な期待を抱いていたわけなりが、こうして結果を出せない井川投手にはそろそろ痺れを切らしているようで、辛辣な言葉を目にする機会が増えているなりよ。

例えばオープン戦での不調を引きずったまま迎えた4月7日のメジャー初登板の試合。5回7失点の乱調だった井川投手に対し、ニューヨークポストは「井川のデビュー戦は大惨事となった」、デーリーニューズは「松坂とは比べものにならないデビュー」とそのピッチング内容を酷評。また、7月8日付けのニューヨークポストは前半戦のアンチ・サイ・ヤング賞(最も活躍しなかった投手)に井川投手の名前を挙げ、「伊良部の悪夢を思い出させる」と厳しい論評を載せていたなりね。2度落とされたマイナーでも良いピッチングを見せられているわけではなく、米国の野球への適正を疑問視する声が日増しに強くなってきているなりね。

こうした逆境の中、さらに井川投手に追い打ちをかけるようなトレードの噂を、10日、米国のスポーツ専門テレビ局「ESPN」や「FOXスポーツ」が一斉に報じたなりよ。報道を総合すると、大リーグ関係者の話として伝えられたその内容は、相手の選手や人数などの細かい条件については不明ながら、ヤンキースが水面下でパドレスとトレードの話を進めているというもの。メジャーの選手移籍期限は7月31日までなりが、球団が選手の保有権を放棄し、ウェーバーにかけることは可能なりね。

そしてこの報道後もさらに事態は進展しているようで、サンケイスポーツによると、ヤンキースはすでに井川投手の保有権を放棄、ウェーバーにかけているというなりよ。ウェーバーにかけられた場合、「獲得に関心を示した中で最も昨季の成績が下位だった球団と47時間の期限付きで交渉できる」という決まりがあるため、仮にパドレス(昨季地区優勝)よりも成績が下位の球団が獲得に名乗りを上げれば交渉権はそちらに、パドレス以外には獲得希望球団が現れなければパドレスとそのまま交渉、パドレスとのトレードが破談に終わればヤンキースに残留、もしくは解雇と、計4つの選択肢が井川投手を待ち受けていることになるなり。

ちなみに、パドレスはもともと井川投手を高く評価していた球団。ポスティングにも参加していたなりが、1,000万ドルの入札金だったため、ヤンキースに競り負けていたなりよ。また、パドレスは8日にメジャー通算235勝の44歳左腕デービッド・ウェルズ投手を解雇したばかりで、先発タイプの左腕の補強が急務。そんなチーム事情にピタッとハマるのが井川投手だったなりね。

まだ井川投手の挑戦は始まったばかりとはいえ、成績と年俸のバランスに対して常にドライな判断を下すメジャーだけに、こうした状況に置かれたことはやむなし。井川投手にどのような運命が待ち構えているのか、しばらく注目しておく必要があるなり。

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