39歳迎える元阪神の藪恵壹投手、米国でメジャー復帰目指し奮闘中。

2007/08/09 10:22 Written by コ○助

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背番号18を背負った「阪神のエース」の座を捨て、藪恵壹投手がFAでアスレチックスに移籍したのは2005年のこと。阪神に在籍した11年間はチームが低迷していた不運も重なり、84勝106敗、防御率3.54の成績と通算100勝にも到達できなかったなりが、打線の援護が見込めないチーム事情の中で積み上げた84勝と、「暗黒時代のエース」と揶揄されながらもひたむきに投げ続けていた姿、そして打たせて取る投球術と球質の良さを、今なお評価する阪神ファンは意外なほど多いなりよ。それだけに、36歳でのメジャー挑戦という「オールドルーキー」の成功を願う声は少なくなかったなりね。

でも、藪投手を待ちかまえていたのは、ほかのメジャー挑戦者のそれとも少し異なるいばらの道だったなり。アスレチックスには1年100万ドルの条件で契約をしたなりが、2005年シーズンは主に中継ぎとして起用され、40試合に登板して4勝0敗1セーブ、防御率4.50とまずまずの成績だったなりよ。ところが、阪神時代にメジャー関係者の間で「特A級」とも言われた評価と比べると物足りない結果だったことから、同年オフに戦力外通告を受けてしまったなりね。このレベルの成績であれば、ベテランの藪投手よりも若手投手を試したいというチームの判断が働いたのは、シビアなメジャーの世界ではよくあることなりよ。

翌2006年の1月にはロッキーズとマイナー契約を結び、メジャー昇格を目指してオープン戦にも登板していたなりが、開幕メジャー枠から漏れ、マイナー行きを通告されたのを機にあっさり退団。その後、メキシコへと渡り、再びメジャーの球団と契約を結ぶ足がかりとして、メキシカンリーグのティファナ・ポトロスと契約したなりよ。ただ、藪投手に関する情報はこのあたりでぷっつりと途絶えることに。藪投手の公式ページで更新された情報では、2006年8月6日にMonterrey戦に登板し、1回を投げて2安打1失点(1被本塁打)、2奪三振という数字が最後で、その後の更新はストップしたまま現在に至っているなりね。

2007年に入り、ティファナの公式ページからは藪投手の名前が消え、いったい、今、どこで何をしているのかとの情報がサッパリ日本には伝わって来ないまま春を過ぎ、夏を迎えたなりが、久しぶりに名前が出たのは今年7月、意表を突いてヤンキースの井川慶投手の公式ページ向けメッセージにその名前が登場したなりよ。7月9日付けのエントリーに「阪神タイガース時代の先輩で、元アスレチックス所属選手でもある藪さんと事前にコンタクトがとれたので、アスレチックスの打者についてお話をうかがうことができました」と。ティファナを離れた今も、少なくともまだ日本には帰国していないことだけは伝わってくる内容だったなりね。

そして。さらなる近況を、現在発売中の「週刊新潮」が伝えているなりよ。ファンがのどから手が出るほど欲しかった藪投手の「今」がよく分かる記事なりよ。

・現在はどこのチームにも所属していない浪人状態。
・藪投手はメジャー復帰を「少しも」諦めていない。
・現在はアリゾナ州テンピのスポーツ施設で、筋トレとピッチング練習中。
・この施設はプロの野球選手やゴルファーが使用する高級施設。
・米国の球団に所属していないので就労ビザが下りず、子どもを現地の学校に通わせることができないため、家族は全員帰国、藪投手は単身赴任中。
・メジャー挑戦を続ける理由は「今のままでは不完全燃焼で終わってしまうから」(藪投手の母親談)。

ということで、現役を続けられるかどうかの瀬戸際に立たされているものの、まだ藪投手の心は折れておらず、メジャー復帰に向けて黙々とトレーニングに励んでいるようなりよ。今はまた米国にいたなりね。

藪投手は今年9月で39歳。現実的に考えれば相当苦しい状況ではあるなりが、同じような境遇にある野茂英雄投手ともども、メジャーであれプロ野球であれ、もう一度投げる姿をファンに見せて欲しいものなり。

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