「女子の尻叩き」逮捕の13歳は性犯罪者か、米オレゴン州で賛否。

2007/08/06 05:57 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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米国は性犯罪者に対して、とても厳しい処罰を課している国としても有名。その中で特に認知度の高いのが「メーガン法」と呼ばれる法律です。これは性犯罪者が刑期を終え、出所した後に義務付けられる住所登録とその情報公開制度のこと。内容は各州によって違いがありますが、地域によっては犯罪者たちに一生登録を義務付け、さらに学校、教会、スクールバスの停留所から一定の距離内には住むことが出来ない……といった制限もあります。

さてこの「メーガン法」だけに限らず、米国は「性犯罪の定義」自体がかなり厳しいのです。例えば軽い気持ちでセクハラをした人物だって法的に立証されれば、長期の禁固刑が待っているし、その後ずっと性犯罪者として、その名前や住む場所が情報公開され続けるのです。

オレゴン州のマクビンヴィルに住む13歳の少年2人も、学校で軽い気持ちで起こしたイタズラにより、今後もしかしたら一生重い義務を背負って生活しなければいけないとか。この2人、今年2月のある日に学校で「お尻を叩く日」という「イベント」を実行。廊下で通りがかりの女子生徒のお尻を引っぱたいては喜んでいたのです。

……お前らぁ(汗)。

確かにとんでもない行為だし、学校もその親も彼らにガッツリとお灸をすえるべきでしょう。もちろん被害にあった女の子の家族も、おかんむり。弁護士を雇い、民事裁判で学校を訴えるなどの準備もしていたそう。

ところが警察が関与してきたことで、ちょっと雰囲気が変わってきたのです。逮捕された彼らは、当局から「性的暴力」と「セクハラ」の容疑で起訴されてしまいました。この場合は刑事裁判となるので、有罪の場合は立派に犯罪者扱いで、10年の禁固刑や「メーガン法」の義務が課されるようになります。少年犯罪でも成人として扱うことが多いですからねぇ、米国では。

この処置、さすがに少年たちには厳しすぎるのではないか? と疑問視する声も聞かれ始め、少年たちを支持する人々が出てきました。それこそ全米各地から名乗りを上げ、弁護士費用を寄付するなどの運動が広がっているそうです。さらに被害者側の一部も、この件は学校内で取り扱うべき問題で、犯罪として扱うには重過ぎると、被疑者を援護。

少年たちが今後どんな形で罪を償うことになるか、それは8月に始まる裁判の結果次第。もちろん少年たちの行いに対する「妥当な罰」の程度は、意見の分かれるところでしょうが、一番大切なのは彼らがキッチリ反省の気持ちを持つことなんじゃないかと。

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