「O型は最も事故率高い」、福岡県警の免許講習に広がる波紋。

2007/08/03 12:27 Written by コジマ

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科学的根拠が乏しいことから、常に論争になるABO式血液型による性格診断。世界的に見ると東アジアでしか普及しておらず、それ以外の国で血液型をたずねると医者や献血ボランティアだと思われることがあるという。近頃では、日本でもニセ科学として取り扱われることも多いのだ。

こうした中、先月24日付けの朝日新聞で、福岡県自動車運転免許試験場の講師が「車の事故を起こす確率は血液型ごとに違う」という内容の講習を行っていたことが報じられた。これは今年2月から行われていたもので、免許更新時の講習で講師が「どの血液型が最も事故を起こしやすいと思うか」と質問し、スライドを使ってその答えを提示していたのだそう。答えの内容は、「O型は最も事故率が高い」「A型は安全運転」「B型はメカに強くて自信過剰で、不注意事故が目立つ」「AB型は神経質で疲れやすく、睡魔に襲われての追突事故が多い」というものだったのだ。

これに対して、受講者から「根拠のない不適切な発言」との批判が相次いだ。講習を担当した2人の講師は「講習に関心を持ってもらおうとしたが、軽率だった」としているのだけど、夕刊フジでは東洋大学社会学部社会心理学科の北村英哉教授の「血液型を人の行動や性格と結びつける発言には、何の裏付けもない。言う方は気軽でも、言われる側にはれっきとした差別発言」というコメントを紹介。同教授は「血液型ハラスメント」と指摘しているのだ。

ただ、同紙でも紹介しているとおり、NPO法人血液型人間科学研究センターでは、公式サイトで「交通事故と血液型」と題した項目でAIU保険との共同調査の結果を提示している。それによると、加害自動車事故の割合がO型で35.6%、A型で34.3%、B型で19.6%、AB型で10.5%だったそうで、人口比率と比べるとO型がやや多く、A型が少なめ、B型とAB型はほぼ同じということが分かるのだ。O型は人身事故率が58.3%と突出して多い(A型は29.2%、B型は8.3%、AB型は4.2%)のだそう。

さらに同サイトでは運転歴とも絡めて、O型が1年以上10年未満、A型とAB型が1年未満、B型が10年以上15年未満で事故が多いとし、結論として、

O型……普通は安全運転をしていても、ふと油断したスキに横から追い抜きをされたり、あおられたりすると、がぜん闘争心が沸いてカッとなったり我を忘れたりしてしまう。
A型……他人を乗せている時にはあまりないけれど、一人で運転している時には運転をストレスのはけ口にして無理なスピードを出したり、感情を運転にぶつけたりしてしまう。
B型……とにかく他に気をとられるよそ見運転が一番多い。また、本当は慎重にスピードを落とした方がいいカーブや悪道に限って、なぜかアクセルを踏んでしまう人も目立つ。
AB型……一にも二にも居眠り運転に注意!命よりも眠気が優先することがあると自覚しておくぐらいが身の安全のため。また、同乗者に話しかけられるのは苦手なくせに、はっきり断れずに散漫になって運転に集中できなくなることもよくある。

としているのだ。ぼくはO型だけど、いままで起こした2回の事故はB型の特徴とされている「よそ見運転」とAB型の特徴とされている「居眠り運転」だったのだけどなあ。ちなみに、このデータは1978年に実施された調査をもとにしているのだ。

夕刊フジでは星座別の事故率データとも合わせて、「O型で運転歴10年未満のてんびん座」が“最凶のドライバー”としている。ぼくはおとめ座だけど、事故を起こしたのは2回とも運転歴10年未満。うーん、この分析は当たっているのだろうか。

NPO法人血液型人間科学研究センターの市川千枝子室長は「血液型と社会活動の関係は、本質の部分で間違いなくあります」としながらも、「(福岡)県警の発言は、分析が足りなすぎであまりに安易」と批判している。受講者に興味を持ってもらおうと一所懸命考えた末の内容なので大騒ぎするのもちょっとかわいそうな気もするけど、暗示をかけることにもなりかねない。ぼくも今年は免許の書き換え。ネガティブな内容ではなくプラス思考になるような講習を受けたいのだ。

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