米国内線の乗客に細菌性髄膜炎、航空会社が同乗者に通達。

2007/07/25 14:34 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


脳を包む髄膜(軟膜・クモ膜・硬膜の総称)が肺炎球菌、リステリア菌などの細菌に感染することで発祥する髄膜炎。発熱、頭痛、嘔吐、筋肉の痛みなど、インフルエンザに似た症状を引き起こしますが、悪化すると麻痺や意識障害なども起こるそうで、小さい子供がかかると、発育の遅れも引き起こすことがある、シリアスな病気です。空気感染はありませんが、くしゃみなどで体液が飛ぶことで周囲の人に感染する可能性もあり、注意が必要なんだとか。

先日、この細菌性髄膜炎にかかってしまい、それを知らずに旅行をしていた少女が、なんと飛行中に意識不明の重体になる出来ごとがあったそうです。航空会社が到着予定の空港に先回りで連絡し、手配された救急車で病院に運ばれた結果、この病気にかかっていることが判ったのです。密室での発症だったこともあって、航空会社は彼女の周囲に座っていた同乗者20人に、早急に連絡を取ることにしたとか。

そういえば先月、抗生物質の効かない結核(XDR結核菌による)を患っていることを知りながら、旅行先から飛行機で米国まで戻ってきたという男性が、他の乗客に感染リスクを負わせた、と大批判を受けていました。この男性は今、政府からの命令で隔離され、治療を受けていますが、先日とうとう同乗していた人々から集団起訴されました。

こんなニュースがあったばかりなので、今回の少女の髄膜炎も航空会社にとっては、かなり切迫した事態だったに違いありません。少女も、そしておそらく彼女の保護者も、細菌性髄膜炎などという重病だとは気付かなかったのでしょうが、危険なことには変わりはないので、同乗者に感染者がいないことを祈ります。

あと女の子も早く元気になるといいですねぇ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.