武豊騎手がJRA歴代最多の2,944勝目、従来記録を17年6か月上回る。

2007/07/22 05:24 Written by コ○助

このエントリーをはてなブックマークに追加


野球のイチロー、柔道の田村亮子、サッカーの中田英寿など、どの競技にも時に傑出した才能が現れることがあるなりが、競馬の世界の「天才」といえば、やはり言わずと知れた武豊騎手なりよ。これまで中央競馬の記録という記録を塗り替えてきた武豊騎手に対しては、騎乗した数々の名馬が残してきた記録や記憶とともに、多くのファンがほかの騎手とは違う次元の存在だと感じているなりよね。

そんな武豊騎手が、またひとつ、そしてとてつもなく大きな勲章を手にしたなり。それは中央競馬の歴代最多勝記録。21日に行われた小倉競馬の第12レースで通算2,944勝目を挙げ、中央競馬の偉人的存在だった岡部幸雄騎手(引退)がこれまで保持していた2,943勝を抜いて歴代トップに躍り出たなりよ。岡部騎手はこの数字を積み重ねるのに37年10か月の時間を要したなりが、武豊騎手が要したのは20年4か月。いかに武豊騎手が恐るべきペース、前例なきペースで勝ち続けているのかが、顕著に数字として表れているなりね。

大記録を達成した武豊騎手は、その心境を公式ページに次のように綴っているなり。

「この数字は非常に重いものがあります。デビューしたころ、岡部さんの存在は文字通り雲の上にいる人で、そんなすごい人の記録に追いつくとか、大それた気持ちはまったく持っていなかったからです」
「セレモニーでは、なんと仲間の騎手たちによる胴上げのハプニング。まるで引退してしまう人になったようで、こそばゆいものを感じました」
「20年でたどり着いたこの記録をもっともっと伸ばして、少なくともボクが生きているうちは誰にも塗り替えることを許さないような数字にしたいものです」

この言葉の中にあるように、武豊騎手のデビュー以前、同期の柴田政人騎手と共に「名手」と呼ばれ、中央競馬を引っ張ってきたのは紛れもなく岡部騎手。シンボリルドルフの鞍上で「史上初の無敗によるクラシック三冠達成」という歴史的快挙を成し遂げたこと、いち早く競馬の国際化に目を付け、海外遠征にも積極的に乗り出していたこと、ズバ抜けた騎乗技術を持ち合わせていたことなど、デビューしたての武豊騎手にとって「雲の上の存在」だったのは至極当然と言えるなりね。そして、武豊騎手は岡部騎手を「目標」にしていると公言してきただけに、この最多勝記録達成はひと際感慨深いものがあるようなりよ。

ちなみに記録を抜かれた岡部騎手は、武豊騎手の最多勝記録について、「武君、おめでとう。武君にとっては当然の記録であるだろうけど、JRA以外にも地方・海外と、大きな怪我もなく乗りこなしていることはさすがだと思っております。これからも競馬界の発展のために、長く記録を伸ばして勝ち星を重ねてください。本日は本当におめでとう」(JRA発表より)と、祝福のコメントを寄せているなり。

武豊騎手はまだ38歳。競馬は、50代でも現役の騎手が珍しくない世界だけに、これから10数年に渡って武豊騎手がどこまで数字を積み上げていくのか、しっかりと見届けていきたいなりね。

◎武豊騎手の主な記録
14104戦2944勝(歴代1位)、重賞245勝(同1位)、G158勝(同1位)。海外は通算104勝(日本人騎手では歴代1位)、G1は7勝(同1位)。

◎中央競馬(JRA)騎手の歴代勝利数(7月21日現在)
1位 武豊(現役)14104戦2944勝
2位 岡部幸雄(引退)18646戦2943勝
3位 河内洋(引退)14940戦2111勝
4位 増沢末夫(引退)12780戦2016勝
5位 横山典弘(現役)12583戦1800勝

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.