ホワイト・ストライプスが奇妙なライブを開催、たった1音でも大歓声。

2007/07/20 14:23 Written by コジマ

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結成10周年の記念すべきアルバム『イッキー・サンプ』でも、切り裂くような最高のヘビー・サウンドを奏でているザ・ホワイト・ストライプス。活動拠点を故郷の米デトロイトからカントリーの聖地であるナッシュビルに移した(メグはロス在住)ためか、マリアッチ風ホーンやバグパイプが入るなど音の多彩さが向上しているのが特徴的。セールス面でも、英国で1位、米国で2位、日本(洋楽チャート)で6位とバンド史上最高位を獲得しているのだ。米国限定で発売したUSBメモリー版が欲しかったなあ。

アルバム発売前後には、英ワイヤレス・フェスティバルや米ボナルー・ミュージック・フェスティバルをはじめ欧米でのツアーを行っている彼ら、ロンドンの退役軍人病院でアコースティック・ライブを入院患者の前で披露したり、ニューヨークのアーヴィング・プラザというキャパ1500人のクラブで行われたシークレットライブで2時間も演奏したりと、一風変わったライブも行っているのだ。てっきり今年のFUJI ROCK FESTIVALに来てくれると思っていたのに……。

こうした中、ボートやバスの上、橋の上、教室、ボーリング場などこちらも面白い場所でツアーを行っているカナダで、たった1音だけでステージを降りるという、最高に奇妙なライブが行われた。といってもオアシスのリアム・ギャラガーのようにわがままで引っ込んだわけではなく、もともとこうしたコンセプトで開催されたライブだったのだ。

カナダ最東部にある大都市、セントジョンズで行われたもので、事前に「1音ライブ」ということを告知していたにもかかわらず会場にはたくさんの人が詰めかけていたのだけど、ジャックとメグのホワイト“姉弟”はそれに臆することなく本当にギターの1ストロークとドラムの1たたきだけ奏で、「これですべての公演を行った」とアナウンスしてステージを去ったのだ。芸術うんぬんはともかく、行われたのは小さなステージ、2人が姿を見せたことに意味があるのかも。その証拠に、会場は大盛り上がりだったのだ。ぼくも、自分の住む街にホワイト・ストライプスが来るのだったら、たった1音でも絶対に観にいくなあ。

このあと、セントジョンズのスタジアムではきちんとフルステージを行っているので、ここに詰めかけた人たちはもちろんそちらも堪能したと思うのだ。

世にも奇妙なライブの数々、ぜひ日本でも各地でやってほしい。ジャックは、昨年いっぱい費やしたサイドプロジェクトであるラカンターズの新作もすでに完成させたようで、しかも、ハイヴスとのコラボも実現。こちらのライブにも期待なのだ。去年のフジロックで見せた濃厚なステージは最高だったなあ。ちなみにジャックは、映画「ウオーク・ハード」(原題)でエルヴィス・プレスリー役を演じており、昨年のMTVビデオ・ミュージック・アワード以来となるジャック・ブラックとの「白黒共演」を果たしているのだ。日本公開は未定のようだけど、こちらにも期待したい。

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