D・リンチ作品に大抜擢、ハリウッド女優・裕木奈江インタビュー。

2007/07/04 23:58 Written by コジマ

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映画「エレファント・マン」やテレビドラマ「ツイン・ピークス」などで知られるデビッド・リンチ監督。「ツイン・ピークス シーズン2」の日米初DVD化、グッチの香水CM監督に抜擢など、初監督作品「イレイザー・ヘッド」の公開から30年を迎える記念すべき年にふさわしい活躍が期待されているのだ。

こうした中、7月14日にリンチ監督の最新作「インランド・エンパイア」が公開される。この作品は、昨年のベネチア映画祭で栄誉金獅子賞、今年は全米音楽批評家協会で実験的作品賞などを受賞した話題作。前編デジタルビデオカメラで撮影されており、3時間という大作ながら観ている者をパラレルワールドに引きずり込むという、リンチ監督らしい作品となっているのだ。

この映画のラストに、日本人女優が登場している。その女優とは、最近めっきり日本のテレビで見かけなくなった裕木奈江。クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」に続く出演で、この作品でハリウッド女優に正式登録されたのだそう。そんな裕木奈江に、夕刊フジが直撃しているので、ちょっと見てみるのだ。

裕木奈江は、90年代に男性からの圧倒的な支持を得たものの、主演ドラマ「ポケベルが鳴らなくて」(日本テレビ系)の役柄が影響してか、女性からは余り好かれなかったのだ。こうしたことから“バッシング”にまで発展し、90年代後半にはテレビやラジオから姿を消すことに。活動を映画や舞台を中心に移し、99年には写真集でオールヌードを披露したのだけど、04年のギリシャ留学(文化庁在外研修員)後は、消息が途絶えていたのだ。

留学後はハリウッドに移住した裕木奈江、リンチ監督が短編映画を撮影していることを知り、募集していたエキストラとして「インランド・エンパイア」に参加したそうなのだ。ところが、セリフのある重要な役に大抜擢。そのことについて、「撮影の後、リンチにあいさつに行くと、ジッっと見て、“君はジャパニーズ・ホームレス・ガールを演じることに興味があるかい?”って言うんです。もちろん、答えはイエスでした」と語っている。

それから間もなく自宅のファクスに3ページもの台本を送られてきた。撮影現場では主役のローラ・ダーンとともに8分間撮影され、それがすべて本編に採用されたようなのだ。

かつての“事件”について、「日本では、なんでもはっきり言うので、バッシングされることも多かったと思う」と語り、「でも、私ももう37歳です。世界を視野に入れて、このアメリカでは、アジアの女優としてでなく、日本人の女優としてやっていきたい」と、決意を新たにしている。すでに2作のオファーが来ているそうで、「インランド・エンパイア」同様、今後の活動が楽しみなのだ。

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