芸術かガラクタか、前庭に飾られた「アート」に周辺住民が反発。

2007/06/28 11:09 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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ある晩、ローカルTVのニュースを観ていた時のことです。ウォール真木の住んでいる町の風景が、ぱっと画面に現れました。それは、一風どこにでもあるような住宅街の一角。しかしそこにあるのは、とても不思議な一軒の家だったのです。

正確にいうと、奇妙なのはその建物の前庭。そこには長さが数メートルもあるような木材、鉄棒、パイプなどを、何本も寄せ集めて形成された「物体」があちこちに立っており、また家の壁にもなにやら飾られているではないですか。これを作ったのは、この家の住民であるルイス・グリーンバーグ氏。元は美術を教えていた教師で、今は悠々自適の引退生活を送っている人です。自由な時間が増えた彼は、3年ほど前から廃材料を集めては、こういった「芸術作品」を作り続けているのだとか……。

しかしグリーンバーグ氏にとってはアートでも、周囲の住民にとっては単なるガラクタとしか映っていません。正直、大迷惑だっつーの(笑)。この庭先ディスプレイのお陰で、周辺住宅の不動産価値が下がってしまったと、皆さんご立腹状態なのです。彼のすぐ隣に住むティム・プロヴィアンスさんは、今自宅を売りに出している最中なのですが、物件を見に来る人々は彼の燐宅を見た瞬間「ドン引き」。そりゃそうだろうねぇ(汗)。

プロヴィアンスさんは、仕方なく売値を200万円近く下げたそうですが、それでもまだ買い手は見付からず……。他の隣人らも同様に「自分の家から見える外観のせいで、大変迷惑をこうむっている」と、苦情を市に当てて提出したほど。

しかし市が手を尽くしてみたものの、今現在の法律では何の手立ても出来ないとのこと。グリーンバーグ氏も、もしこの作品を撤去するように命令されたら「表現の自由」が侵害されたとして、市や住民を相手に訴えを起こす準備もあるそう。

この「アート」を巡ったご近所紛争、どうやら当分続きそうですね。さて、見学に行ってみようかな(笑)。

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