ラーメンやサバ味噌など、ISSに供給する「宇宙日本食」29品目決定。

2007/06/27 23:52 Written by コジマ

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日本、米国、ロシア、カナダ、欧州宇宙機関(ESA)が協力し、2010年の完成を目指して建設されている国際宇宙ステーション(ISS)。03年に起きたスペースシャトル「コロンビア」の事故よって計画が大幅に遅れ、規模も縮小せざるを得なくなっているのだけど、日本の実験棟である「きぼう」の打ち上げも予定されており、来年度後半には宇宙飛行士の若田光一さんが日本人として初めて長期滞在する予定なのだ。

長期滞在するに当たって、気になるのが食事面。これまでISSでの食事は米国やロシアが供給したものに限られていたのだけど、制度の改定によって参加各国がそれぞれに用意できるようになった。昨年には、ESAがフランスの三ツ星レストランチェーン「グループ・アラン・デュカス」と協力して主菜5品、副菜3品、デザート4品の贅沢な宇宙食を開発。実際にISSで活動するESAの宇宙飛行士たちへと提供され、ワインがなかったこと以外には大満足だったようなのだ。

こうした中、「きぼう」の組み立てミッションによって日本人が関わる機会が増えることを想定して、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がISSへ提供する「宇宙日本食」の認定を行い、29品目が決定したのだ。その内容を見てみると、

たまごスープ(味の素)/白飯、赤飯、山菜おこわ、おにぎり鮭(尾西食品)/トマトケチャップ、野菜ソース、野菜飲料ゼリー(トマト)、野菜飲料ゼリー(ニンジン)(カゴメ)/マヨネーズ、白がゆ(キユーピー)/しょうゆラーメン、シーフードラーメン、カレーラーメン(日清食品)/レトルトビーフカレー、レトルトポークカレー、レトルトチキンカレー(ハウス食品)/サバの味噌煮、イワシのトマト煮、サンマの蒲焼(マルハ)/粉末緑茶、粉末ウーロン茶(三井農林)/機能性飲料(アミノ酸ゼリー)(明治乳業)/羊羹(小倉)、羊羹(栗)(山崎製パン)/黒飴、ミントキャンディー(ヤマザキナビスコ)/わかめスープ、お吸い物(理研ビタミン)

高級感のあるESAのものと違って、どれも普段なじみのある食べ物ばかりなのだ。「宇宙日本食」採用の背景には、日本人宇宙飛行士にリラックスして活動を行ってもらうことがある。また、味覚が鈍る宇宙用に市販品よりも味付けが濃くなっており、無重力状態での骨量減少を防ぐためにカルシウムを増量しているのだ。

この食品は、次回打ち上げのスペースシャトルに収載され、ISSに持ち込まれる予定。若田さんには「宇宙日本食」で約3カ月間という長期滞在の任務をこなしてほしいのだ。

ところで、各国の資金難と米国が月や火星への有人飛行へと方針転換したため、なかなか計画が進まないISSだけど、NASAが余ったスペースを民間企業などに無料で開放する方針を発表したのだ。もしかしたら将来、宇宙旅行の際にISSに宿泊するというパック旅行が発売されるかもしれない。

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