M・スコセッシ監督の次回作は「沈黙」、日本でも来夏に撮影予定。

2007/05/27 23:27 Written by コジマ

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2月に授賞式が行われた第79回アカデミー賞で、悲願のオスカーを手にしたマーティン・スコセッシ監督。授賞式では同監督を祝福する拍手が鳴りやまず、受賞作「ディパーテッド」で主演を務めたレオナルド・ディカプリオが目に涙を浮かべるなど、感動的だったのだ。

こうしてようやっとアカデミー賞監督の仲間入りしたマーティン・スコセッシ監督、5月17日に開幕した第60回カンヌ国際映画祭に登場し、「マスタークラス」という映画演出の授業で講師を担当。受講生たちに「情熱を持って、クレイジーになること」とアドバイスしていたのだけど、その後に、次回作とウワサされていた「沈黙」を正式に発表したのだ。

「沈黙」は遠藤周作が1966年に発表した小説。江戸時代初期、キリシタン弾圧下の長崎に潜入したポルトガル人宣教師が捕らえられて棄教するまでを描き、日本人にとって、そして自らもクリスチャンである遠藤周作にとってのキリスト教信仰を探求した作品なのだ。

海外でも評価の高いこの作品に感銘を受けたスコセッシ監督は、以前から自分の手で映像化することを熱望し、1991年には渡米した遠藤周作に会って映画化について話し合っていた。残念ながら遠藤周作は1996年に永眠してしまったのだけど、ようやっとスコセッシ監督による映画化が実現するのだ。

今回の撮影は大半がカナダ・バンクーバーで行われる予定なのだけど、08年夏あたりに部分的ながら日本でも撮影するとのこと。エキストラの募集があったら、応募が殺到しそう。すでに製作中というローリング・ストーンズのドキュメンタリー映画同様、作品の完成が楽しみなのだ。さらに、この次の作品は、中世フランスの決闘について書かれたエリック・イェーガーの歴史書「The Last Duel: A True Story of Crime, Scandal and Trial by Combat in Medieval France」を映画化することになっている。

ちなみに「沈黙」は、1971年に「瀬戸内少年野球団」などで有名な篠田正浩によって、「沈黙 SILENCE」というタイトルで映画化されており、第25回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたのだ(惜しくもパルムドールは逃す)。スコセッシ版「沈黙」の前に、こちらもチェックしておいたほうがいいかも。

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