“禁煙スペースでも吸えるたばこ”が各国で続々、そのお味は?

2007/05/20 02:19 Written by コジマ

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日本を含めて世界的に禁煙の風潮が強まる中、喫煙者の肩身がどんどん狭くなっている。禁煙エリアは広がる一方で、ビルなどではわずかばかりに設けられた喫煙スペースには愛煙家が殺到しており、とても落ち着いてたばこを吸える状態ではない。とはいえ、他人にまで迷惑を及ぼすのはたしかだし、嗜好品と言えど「個人の自由」の範疇を超えているという意見もよく分かるのだ。

こうした中、世界で“禁煙スペースでも吸えるたばこ”の開発が相次いでおり、愛煙家の間でひそかな人気を呼んでいるのだそう。Hotwiredの記事では、多くの製品が紹介されている。

まずは、スイスのメーカーが開発し、欧州ですでに販売されている「NicStic」。加熱コイルでニコチンを気化させて吸い込むというもので、煙が発生しない。そのため、タールやホルムアルデヒドといった有害物質も発生せず、禁煙スペースでの“喫煙”が可能となっているのだ。

「NicStic」の公式サイトを見てみると、ドイツ語のみで英語のサービスはまだ提供していないようだけど、写真を見る限り、箱もそのもの自体もたばこそっくり。Hotwiredの記事によると、たばこで言う葉を巻いている部分が加熱コイル入りのプラスチック製チューブとなっており、フィルターにあたる部分がニコチンが入りの容器となっているようで、この2つをつなげることにより、チューブのコイルがフィルター内のニコチンを気化させる仕組みになっているそうなのだ。

チューブは3.7ボルトのリチウム電池が内蔵されたケースで充電し、1回の充電で20回ほどの“喫煙”ができるのだそう。フィルター1つには2ミリグラムのニコチンが含まれており、“喫煙”時間は約3分。充電器を兼ねたケースとチューブ3本、ニコチン入りフィルター1カートンが1セットになっている。

気になる味のほうは、体験した人の感想によると「ひどい」「前日に使った灰皿を下で触ったような味」「味がない」「刺激がない」「本当に2ミリグラムのニコチンが入っているのか」などなど。どうも芳しくないようなのだ。たしかに、たばこを吸い終わった灰皿のニオイをかいでみると、ニコチンがいかに臭いかが分かるのだ。Hotwiredも〈たばこの煙とどちらがましか、というにおいがする〉〈喫煙者さえ不快に思うはっきりとしたニコチン臭が発生する〉としている。

記事ではこのほか、電池式の加熱器に差し込む状態で吸う点が不評で製品化に至らなかった米フィリップ・モリス社の「Accord」というものや、ドイツでデモを行った米メトロポリタン・ワールドワイド社の「Bel Air」(今年前半に米国で発売予定)、米R・J・レイノルズ社が開発した「Eclipse」という煙の少ないたばこなどを紹介している。煙が少ないたばこは、JTでも「D-spec」という技術を採用した製品が発売されているのだ。

こうした製品が本当に愛煙家に受け入れられるかは不明だけど、ニコチンパッチやガムでは満たされない「くわえる」「吸う」という行為ができるため、禁煙を目指す人にとって一助となるかもしれない。しかし、ぼくにとっては、煙が出ないうえにニコチンくさいなんてサイアクのものにしか映らない。「コイル式ニコチン吸引装置」以外の喫煙が認められなくなったら、あっさりと禁煙してしまいそうなのだ。

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