任天堂の「Wii」、ソニーの「プレイステーション3」、マイクロソフトの「Xbox360」と、新型ハードがしのぎを削るゲーム業界。日米での「Wii」圧勝が報じられているけど、「プレイステーション3」や「Xbox360」の人気は根強く、まだまだシェア合戦から目が離せない状態となっている。

そんな中、米国のゲーム専門サイト「GamePro.com」で、「世界で最も売れなかったゲーム機ワースト10（The 10 Worst-Selling Consoles of All Time）」が発表されたのだ。このランキングは、世界での売り上げが悪かったハード10機が、売り上げ台数や主要ソフト、売れなかった理由などとともに紹介されている。

ぼくが最初に手に入れたゲーム機は任天堂の「テレビゲーム6」なのだけど、次はなぜかセガの「SG-1000」を親にせがんで入手。みんなが任天堂の「ファミリーコンピュータ」で楽しんでいる中、「ハイパースポーツ」で手のひらの皮がむけても誰にも共感されないという孤独を味わっていたのだ。さらに懲りずに、「セガ・マークIII」や「マスターシステム」も購入し、「アウトラン」「スペースハリアー」といったゲームセンターでしかできなかったゲームをこれまた1人で楽しみながら、いつかセガの時代が来ると信じていた。その後も「メガドライブ」「セガサターン」「ドリームキャスト」と順調に“ダマされ”続けていたのだ。今回のワースト・ランキングでは、そんな愛してやまなかったセガ製品が多数選出されている。

まず10位には、セガにとって最後のハードとなった「ドリームキャスト」が登場している。GamePro.comは「北米市場で評判の悪かった『セガサターン』や『スーパー32X（Sega 32X）』、『メガCD（Sega CD）』のイメージを払拭すべく投入されたが、カジュアル・ゲーマーと疲弊したサード・パーティがセガの能力を疑う結果となった」とし、「たった3年という短命に終わり、世界で1060万台しか売れなかった」と紹介している。

また、「セガサターン」とメガドライブの拡張機である「メガCD」も8、7位にランクイン。「セガサターン」の敗因は「価格が399ドルと高かったこと」と「構造が複雑すぎてソフト開発が難航したこと」とし、「メガCD」も「299ドルと高価だったこと」と「セガのサポートが不十分であったこと」を敗因として挙げているのだ。

さらには、第2位にもメガドライブの拡張機「スーパー32X」が登場。結局、セガ製品がワースト10中4機も占めていた。「スーパー32X」については「セガの悪いハードウェアの典型」とし、「熱狂的なセガファンならいざ知らず、（すでに日本で「セガサターン」と「プレイステーション」が発売されているのに）650ドルもする16ビットマシンの拡張機をどのくらいの人が必要としたのだろうか」と酷評している。うむむ、セガファンとしては耳の痛い話なのだ。

このほか、9位にNECの「PCエンジン」、6位に日本では松下電器やサンヨーが端末を発売していた「3DO」、5位に任天堂の「バーチャルボーイ」などが選ばれており、不名誉な1位にはアップルコンピュータとバンダイが共同開発した「ピピンアットマーク」が選出されている。「ピピンアットマーク」は、「スーパー32X」の20万台を大きく下回る4万2000台しか売れなかったのだそう。

現在シェア争いを繰り広げている3台のハードがこのランキングに入る可能性は低そうだけれど（「PS3」は高い？）、振り返ってみると多くのゲームが生まれては消えたんだなあ。それにしても、このワースト10に入ったハードを3台も所有していたなんて、ぼくの先見性のなさは筋金入りなのだ。まあ、「メガドライブ」くらいからは半分意地になっていたのだけど。


☆史上最も売れなかったゲーム機ワースト10（GamePro.com調べ）

1. 「ピピンアットマーク」（アップルコンピュータ、バンダイ）　4万2000台
2. 「スーパー32X（Sega 32X）」（セガ）　20万台
3. 「Atari Jaguar」（アタリ）　25万台
4. 「CD-i」（フィリップス）　57万台
5. 「バーチャルボーイ」（任天堂）　77万台
6. 「3DO」（3DO）　200万台
7. 「メガCD（Sega CD）」（セガ）　600万台
8. 「セガサターン」（セガ）　950万台
9. 「PCエンジン」（NEC）　1000万台
10. 「ドリームキャスト」（セガ）　1060万台