ヤンキース・松井秀喜外野手、2000本安打の陰に打撃改造の努力。

2007/05/07 20:55 Written by コジマ

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1993年5月1日のプロ初ヒット以来、00年には1000本安打を達成し、1390本安打の記録を残して渡米したニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜外野手。大リーグでは長打率こそ低下したものの、コンスタントに高打率をキープし、プロ野球より試合数が多いことも手伝って毎年巨人時代を上回る数の安打を放っていたのだ。

05年シーズン終了時点で日米通算で1935本の安打を記録していただけに昨季中の2000本安打達成が期待されていたのだけど、5月に手首を骨折。連続試合出場が途切れるとともに、復帰が9月だったため安打数も52にとどまり、2000本安打達成もかなわなかった。

残り13本で始まった今季、4月中の達成も期待されていたのだけど、またしても肉離れにより故障者リスト入り。16日間も戦列を離れていた。そして、5月6日のシアトル・マリナーズ戦、先に2000本安打を達成しているイチロー外野手の目の前で、ようやっとこの大記録を達成できたのだ。

6回の裏、マリナーズのジャレッド・ワシュバーン投手から松井外野手が左翼に打った平凡な飛球に対し、ラウル・イバネス外野手が日差しにさえぎられて見失い捕球に失敗。当初エラーと記録されていたのだけどのちに訂正され、これが2000本目のメモリアル安打となったのだ。

松井外野手は、7回の乱闘騒ぎの際に同僚のジョニー・デーモン外野手から「ヒットになっているよ」と教えられて初めて気付いたのだそう。05年5月にイチロー外野手が鋭い当たりの中前安打でスマートに2000本安打を達成したのに対し、泥臭い感じがなんとも松井外野手らしく、好感を持ってしまうのだ。昨年同じ記録を達成した仲良しのデレク・ジーター内野手が補前安打だったことを挙げ、「難しさからいったら両方難しい。二塁打ということで僕の勝ちでしょう」(MAJOR.JPより)と、冗談交じりのコメントも残している。

30歳212日の最年少記録だったイチロー外野手に次いで日米通算2000本安打を達成し、名球会入りも果たした松井外野手だけど、毎日新聞にこの大記録を達成できた秘訣が掲載されている。その秘訣とは、「打撃改造」なのだそう。

日本人初の長距離砲としてヤンキースの首脳陣に期待された松井外野手、1年目は内野ゴロを量産し、「ゴロ・キング」なる不名誉なニックネームまで付けられてしまった。そんな状態を打破するために、長距離弾を狙わないコンパクトなスイングに変更し、ジョー・トーリ監督の助言に従って打席では15センチメートルほどベース寄りに立つなどの工夫を重ねて頼れるポイントゲッターに変身。同紙は、“「巨人の4番」だった自身を捨てたこと”、つまり長距離打者としてのこだわりを捨てたことからヤンキースのレギュラーとして出場し続けられ、この2000本安打達成につながったとしているのだ。

また、イチロー外野手からの「大きいのは、お前にしか打てないんだから」というアドバイスを紹介し、長距離打者としての可能性を捨てていないとも分析している。

2000本安打達成は大記録だけど、巨人時代の長距離砲としての印象が強い松井外野手には、ぜひとも本塁打での記録を達成してもらいたいところ。日本で残した332本に加え、5月7日現在の通算本塁打数は412。今季中の450号、来季中の500号達成を期待してしまうのだ。

何はともあれ、チームは2連勝。通算348勝の右腕、ロジャー・クレメンス投手も戻ってくるようだし、松井外野手の記録達成が、低迷するヤンキースの起爆剤となってくれることを祈るのだ。

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