海洋冒険家・白石康次郎、ヨット世界一周レースで総合2位の快挙。

2007/05/01 23:51 Written by コジマ

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数カ所の寄港地を経て世界を一周するヨットレース「5オーシャンズ」。50〜60フィートもある大きなヨットをたった1人で操りながら総距離約5万キロを航行するもので、十分な睡眠も取れない中で刻々と変化する気象などに対応しなければならず、世界のトップ・セイラーでもリタイアする人が続出。最も過酷な外洋レースといわれているのだ。

この「5オーシャンズ」の最上位となる「クラス1」(60フィート艇)に、愛艇「スピリット・オブ・ユーコー」を駆ってアジア人として初めて出場した海洋冒険家の白石康次郎が、現地時間の4月30日午後5時56分46秒にスペインのビルバオに戻り、トップと約14日間差の118日1時間42分でゴール。総合2位に輝いたのだ。

「5オーシャンズ」は、1982年に「BOCチャレンジ」という名称で第1回大会が開かれ、4年に1回開催されている。今回は、98年の「アラウンド・アローン」に続いて「5オーシャンズ」に改称し、10月22日に8艇がビルバオを出発した。

白石康次郎は、93〜94年に26歳で世界最年少単独無寄港世界一周を達成して以来、「エコ・チャレンジ」など世界のヨットレースに挑戦を続け、「アラウンド・アローン」時代の03年にクラス2(50フィート艇)で4位入賞。著書「アラウンド・アローン」を出版するなど、日本だけでなく世界を代表するトップ・セイラーとなっているのだ。

寄港地がたった2カ所(オーストラリア・フリーマントル、米ノーフォーク)という、史上最も過酷なレースとなった今大会は、第2レグの南極海で2艇が破損により棄権。予想どおりの困難さを極めたのだけど、白石康次郎はスタート直後の嵐の中を航行して2位を確保し、第3レグでは首位の「シュミレ・プジョラ」を操るベルナール・スタム(スイス)に肉迫する32分差の2位でゴール。総合でもベルナール・スタムに次ぐ2位となったのだ。

表彰台を目指していた白石康次郎にとって、総合2位は目標以上の結果。ゴール直後は、支え続けてくれた夫人と抱擁を交わし、「2位は身に余る順位。終盤は気象の読み、戦術も完璧にできた」(読売新聞より)とコメントするなど、喜びを隠せない様子だったのだ。白石康次郎らのレースのもようは、「5オーシャンズ」の公式サイトで確認できるので、興味のある人はぜひ。

「5オーシャンズ」という死と隣り合わせの冒険に挑み、見事栄冠を勝ち取った白石康次郎。2位はとてつもなくスゴイことなのだけど、家族にとっては無事であることがなにより。過酷なレースへの挑戦はまだまだ続きそうだけど、この喜びを噛みしめながら、家族とともにしばしの休息が得られるのだ。

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