「持参金が少なすぎる」15年間監禁された妻をインドで救出。

2007/05/01 09:50 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


インド東部に位置する西ベンガル州。なぜ「東」にあるのに「西」なのか、そしてなぜ東ベンガル州はないのか? と多少不思議な名所の地区でございます。

実は以前は西ベンガル、東ベンガルと両方の州が存在しました。元々はヒンドュー教徒とイスラム教徒の紛争を遮るため、この地区が2つに分割されたのがその由来。その後、1947年に当時まだインドの一部だったパキスタンが分離独立し、東ベンガルはバングラディッシュと名称が変わったのです。そして西ベンガルだけがその昔の面影を残した名前で、今もインド東部に残されているというワケです。

まあ、歴史的背景はこのぐらいにしておいて。

そのベンガル州で先日、40歳になる女性が長年の監禁状態から救出されたというニュースが。マドハビー・ダースさんは、なんと自分の夫とその家族から、15年間も自宅の狭く薄暗い部屋に閉じ込められ虐待を受けていたというのです。しかもその理由というのが、ダースさんの家族から結婚時に夫に贈られた「持参金」が少なかったからというもの。

同国では古くからの慣わしで、女性が結婚する場合には夫の家族にお祝いの一部として持参金が渡されるそう。しかしこの持参金がトラブルの元となり、多くの女性が虐待を受ける結果も生み出したそう。そのため、1961年にはこの習慣が違法とされたのです。それでもこのシステムは伝統的な習慣として根強く残っており、女性に対するドメスティック・バイオレンス(DV)も後を絶たないんだとか。なんでもインドでは約70%もの既婚女性がDVの被害を経験。同国の犯罪記録局によると、毎日18人の女性が持参金関係の暴力で命を失っているという、いたましい統計結果
も出ているそう。

ダースさんも長年の監禁で精神異常を患ってしまい、救出後は精神ケアのために入院。夫とその母親も精神鑑定を受けるために病院送りとなったそう。

25歳から今まで閉じ込められていた彼女の心の傷はそう簡単には癒されないだろうけど、どうかこれからは安らかな生活を送って欲しいですねぇ……。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.