米国の中華料理は不健康? カロリー・塩分ともに基準値超え。

2007/04/03 22:58 Written by コジマ

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近所の店から高級店、中華街の専門店など、ぼくらにも馴染みの深い中華料理。和食にはない色彩とガツンとくる味は、日本の食卓を豊かにしてくれているのだ。日本だけでなく世界中で愛されている中華料理だけど、それぞれの国民の舌に合わせてさまざまな変貌を遂げている。例えば、日本では油を控えめにしており、本場の調理法で出している店に行くと大好物の青椒肉絲(チンジャオロース)がやけに油っこいことに気付くのだ。

逆に米国ではガンガンに油を使っているらしく、味も濃いめ。国民性を反映して、ハッキリとした味付け・調理法に変更されているのだそう。その米国式に変化を遂げた中華料理に、米NGO「公益科学センター(Center for Science in the Public Interest)」が「カロリーと塩分が過剰だ」と警鐘を鳴らし、米国内で話題になっているのだ。

同センターが例として取り上げているのが、全米の中華料理店で人気の「ジェネラル・ツォズ・チキン・プレート(A plate of General Tso's chicken、左公鶏)」。本場の香港では下味を付けた鶏肉を油で炒めるものなのだけど、米国では鶏肉にコーンスターチと卵を衣にして揚げるだけでなく、砂糖を大量に入れ、ケチャップを付けて食べるのだとか。そのため、1皿で1300キロカロリー、塩分3.2グラム、飽和脂肪酸11グラムという、実に不健康な料理になっているそうなのだ。

また、USAトゥデイ紙(AP通信)によると「多くの米国人はジェネラル・ツォズ・チキン・プレートだけでなく、ライスや春巻も一緒に食べる」のだそうで、その合計は実に1700キロカロリー、塩分3.6グラム。米政府が推奨している成人1日の摂取量は熱量が2000キロカロリー、塩分が2.3グラム(小さじ1杯程度)なので、1回の食事で熱量が85%、塩分は1.3グラムもオーバーしてしまうことになるのだ。これでビールなんか飲んだら大変なことになりそう。

同センターは、このジェネラル・ツォズ・チキン・プレートだけでなく、野菜の炒め物でも900キロカロリーと2.2グラムの塩分を含んでおり、茄子のニンニクソース炒めも1000キロカロリー、塩分2グラムと分析。「菜食主義者でも安心できない」としているのだ。

このため、同センター栄養責任者のボニー・リーブマン氏は、中華料理店での食事の際に、

・肉や麺類の代わりにブロッコリーやサヤエンドウなどの野菜メニューを選ぶこと
・揚げた肉を避け、魚介類や豆腐をさっと炒めるように注文すること
・ソースがからまないよう、スプーンではなくフォークやはしで食べること
・1皿を大勢で分けるか、半分をテイクアウトすること
・白米の代わりに玄米を食べること

などに留意することを提案しているのだ。

ただ、リーブマン氏が「イタリアンやメキシコ料理のほうがもっと不健康」と語っていることを受けてか、この報道の翌日も〈ワシントンの中華街では「左公鶏」の注文がひっきりなしだった〉(イザ!より)のだそう。あまり気にするとせっかくの食事がおいしくなくなっちゃうし、今回の発表を頭の片隅に置きつつ楽しく食事をすることが一番かも。

余談だけど、AP通信によって米国の新聞社へ配信されたこの記事、各紙とも「中華料理店のメニューはカロリーと塩分が高い」というような見出しだったのだけど、デンバーポスト紙だけは「健康グループによって攻撃される中華料理(Chinese food assailed by health group)」というタイトルを付けているのだ。記事の内容は全く一緒だけど、見出しによってかなり印象が違ってくるなあ。

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