日本の発展を笑いで支えた「喜劇王」、植木等さんが死去。

2007/03/27 22:00 Written by コジマ

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「もはや戦後ではない」と言われた昭和30年代、クレイジー・キャッツのメンバーとしてテレビや映画で笑いを提供した植木等。お笑いの世界から退いて俳優に転身したあとも、「伝説のコメディアン」としてテレビなどでたびたび取り上げられたため、リアルタイムでなくても「スーダラ節」「無責任一代男」「ハイそれまでヨ」などのヒット曲をご存じの方も多いはず。ぼくも、漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」などで知り、1990年リリースのリバイバル・アルバム『スーダラ伝説』に収録されている曲をほとんど歌えたほど。浮世離れしたキャラクターと、人を蹴落とすことのないギャグはとても好感が持てたのだ。

こうして高度成長期の日本を笑いで支えた植木等が、3月27日午前10時41分、呼吸不全のために都内の病院で亡くなってしまったのだ。

昨年末の盟友・青島幸男の弔問に訪れた際、鼻に酸素チューブを付けているので気づいたのだけど、97年から肺気腫をわずらっていたそうで、療養しながらNHK連続テレビ小説「甘辛しゃん」出演など仕事を続けていたようなのだ。しかし、今年1月に食欲不振のため都内の病院に入院し、今月8日に退院したものの、翌日には再入院。今月半ばから病状が悪化し、意識が混濁していたのだそう。

紫綬褒章や勲四等旭日小綬章を受章し、映画「新・喜びも悲しみも幾歳月」で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞なども受賞。コメディアンとして俳優として一流でありながら、常に飾らない人柄で人気だった植木等、「日本一の無責任男」でありながら非常にマジメだったという側面も、多くの人に愛された理由なのだ。

これでクレイジー・キャッツはメンバーの過半数が他界したことになるのだけど、ハナ肇や安田伸、石橋エータローとともに青島幸男の構成で天国でも爆笑渦に巻き込んで欲しいのだ。ただし、面白すぎて谷啓ら残りのメンバーまで連れて行かれたら困るけど。

日本発展の一端を担った植木等に感謝するとともに、心から哀悼の意を表します。80歳とはいえ、もうちょっと活躍する姿を見たかったなあ。

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