いよいよ開幕した2007年のF1世界選手権。今年は“皇帝”ミハエル・シューマッハ選手の引退をはじめ、昨季王者のフェルナンド・アロンソ選手やキミ・ライコネン選手らの移籍、初の黒人ドライバーであるルイス・ハミルトン選手のデビュー、ホンダの新デザインカーなど、話題が盛りだくさんなのだ。3月18日に行われたオーストラリアGP決勝を制し、今年初の優勝者となったのは果たして誰なのか……。

まずは、16、17日に行われた予選。今季からフェラーリに乗るライコネン選手が、移籍後初戦でポールポジションを奪取。マクラーレンに移籍したアロンソ選手とともに最前列に並ぶこととなったのだ。

特筆すべきは、佐藤琢磨選手の予選10位。スーパーアグリが掲げる今季の予選での目標は2次予選進出だったのだけど、初戦に目標をクリアしてしまったのだ。ぶっつけ本番で新車を投入したことを考えると、これは大健闘かも。

トヨタの2台はスーパーアグリを超える8、9位。今季からトヨタがエンジンを供給している名門ウィリアムズは、12、15位だった。優勝候補の一角であるフェリペ・マッサ選手とホンダの2台が、2次予選止まり（ルーベンス・バリチェロ選手は1次予選で脱落）だったのは意外だったなあ。予選の順位は以下のとおり。

1. キミ・ライコネン（フェラーリ）
2. フェルナンド・アロンソ（マクラーレン・メルセデス）
3. ニック・ハイドフェルド（BMWザウバー）
4. ルイス・ハミルトン（マクラーレン・メルセデス）
5. ロベルト・クビツァ（BMWザウバー）
6. ジャンカルロ・フィジケラ（ルノー）
7. マーク・ウェバー（レッドブル・ルノー）
8. ヤルノ・トゥルーリ（トヨタ）
9. ラルフ・シューマッハ（トヨタ）
10. 佐藤琢磨（スーパーアグリ・ホンダ）
11. アンソニー・デビッドソン（スーパーアグリ・ホンダ）
12. ニコ・ロズベルグ（ウィリアムズ・トヨタ）
13. ヘイッキ・コバライネン（ルノー）
14. ジェンソン・バトン（ホンダ）
15. アレクサンダー・ブルツ（ウィリアムズ・トヨタ）
16. フェリペ・マッサ（フェラーリ）
17. ルーベンス・バリチェロ（ホンダ）
18. スコット・スピード（トロロッソ・フェラーリ）
19. デビッド・クルサード（レッドブル・ルノー）
20. ビタントニオ・リウッツィ（トロロッソ・フェラーリ）
21. エイドリアン・スーティル（スパイカー・フェラーリ）
22. クリスチャン・アルバース（スパイカー・フェラーリ）


さて、決勝はライコネン選手がファステストラップ連発で終始レースを圧倒。そのままフィニッシュし、移籍後初戦にしてポール・トゥ・ウィンを決めた。2位になったアロンソ選手を寄せ付けない走りは、新たな王者の誕生を予感させるのだ。

また、アロンソ選手のチームメイトで、黒人初F1ドライバーとして話題だったハミルトン選手が、デビュー戦にして3位の快挙を達成。スタート直後の第1コーナーでアロンソ選手を交わすなど、前評判以上の鮮烈なデビューとなった。デビュー戦での表彰台は、1996年のジャック・ビルヌーブ以来だとか。こちらもニュー・ヒーローの誕生を予感させるのだ。

一方、ライコネン選手のチームメイトであるマッサ選手は、レース前にエンジン交換を行ったために最後尾スタートとなったものの、6位でフィニッシュ。今季はフェラーリ対マクラーレンの年であることを証明したようなレースだったのだ。

日本関係では、ウィリアムズ・トヨタのロズベルグ選手が7位で最上位。これに、トヨタのシューマッハ選手とトゥルーリ選手が8、9位が続いた（8位までがポイント圏内）。気になる佐藤琢磨選手は、一時は9位を走行していたものの、スタートから2つ順位を落として12位でフィニッシュしたのだ。

優勝争いを期待されていたホンダの2台は11、15位だったものの、開幕から、トヨタ2台がベスト10に入り、スーパーアグリも完走。今季は期待できそうなのだ。


☆2007年F1世界選手権オーストラリアGP決勝結果

1. キミ・ライコネン（フェラーリ）
2. フェルナンド・アロンソ（マクラーレン・メルセデス）
3. ルイス・ハミルトン（マクラーレン・メルセデス）
4. ニック・ハイドフェルド（BMWザウバー）
5. ジャンカルロ・フィジケラ（ルノー）
6. フェリペ・マッサ（フェラーリ）
7. ニコ・ロズベルグ（ウィリアムズ・トヨタ）
8. ラルフ・シューマッハ（トヨタ）
9. ヤルノ・トゥルーリ（トヨタ）
10. ヘイッキ・コバライネン（ルノー）
11. ルーベンス・バリチェロ（ホンダ）
12. 佐藤琢磨（スーパーアグリ・ホンダ）
13. マーク・ウェバー（レッドブル・ルノー）
14. ビタントニオ・リウッツィ（トロロッソ・フェラーリ）
15. ジェンソン・バトン（ホンダ）
16. アンソニー・デビッドソン（スーパーアグリ・ホンダ）
17. エイドリアン・スーティル（スパイカー・フェラーリ）