パリ・ダカ07、優勝の三菱とともに注目されたトヨタの“天ぷら油完走”。

2007/01/28 19:26 Written by コジマ

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欧州からアフリカ大陸に渡り、セネガルの首都ダカールまでの約8000キロを走破するダカール・ラリー(ユーロミルホー・ダカール、通称パリ・ダカ)。不毛の地であるサハラ砂漠を縦断するのでマシントラブルや事故が頻繁に起こり、政治的にも不安定なことからテロや強盗に遭うなど、毎年死者・負傷者が続出する「世界一過酷なモータースポーツ」なのだ。

そんなパリ・ダカが今年も行われ、1月21日に全行程を終了、四輪部門で三菱パジェロ・エボリューションを操るフランスのステファン・ペテランセル選手が3度目の総合優勝を果たした。三菱の優勝は12度目で、01年大会以来の7連覇を達成。ともに自社の持つ記録を更新したのだ。パジェロ・エボリューションの「チーム・レプソル三菱ラリーアート」は、昨年の覇者であるフランスのリュック・アルファン選手が2位、02、03年大会で優勝した増岡浩選手が5位、スペインのホアン・ナニ・ロマ選手が13位に入っていて、今年も三菱がその強さを見せつけた。

他の四輪部門日本人出場者は、三橋淳選手(トヨタ・ランドクルーザー)が25位、山田周生選手(同)が40位、篠塚建次郎選手(日産パスファインダー)が59位、元F1ドライバーの片山右京選手(トヨタ・ランドクルーザー)が68位だったのだけど、日本人最下位の片山選手が優勝した三菱と同じくらい話題になっているのだ。

その理由は、片山選手の乗るランドクルーザーが天ぷら油を燃料にしていたこと。このクルマは大阪産業大学が中心となって立ち上げた「OSUパリダカ参戦プロジェクト」のマシンで、同大の学園祭や市民祭りなどで一般から回収した天ぷら油を精製し、ほかの燃料を混ぜずに使用した。リサイクル燃料を100%使ってのパリダカ参戦は史上初の試みで、順位は低かったものの、目標である全ステージ完走を達成したのだ。

今年の四輪部門参加台数は189台で完走は109台、リサイクル燃料を使って68位は立派な成績だと思うのだけど、片山選手は目標を果たせてほっとしながらも満足はしていないみたい。同プロジェクトでは08、09年の大会にも参加する予定で、片山選手は来年以降のさらなる好成績を誓っているのだ。みんなが使った天ぷら油で世界一過酷なレースを完走するなんて、すごく夢のある話。成績の良い三菱にもリサイクル燃料を使った実験車を投入して欲しいなあ。

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