注目の旅行プラン「ダイナミックパッケージ」、日本でもブレイクなるか。

2007/01/15 23:56 Written by コジマ

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旅行する際、出発日やホテル、観光場所などは自分で決めたいけど、外国だと自分で手配しなくてはならない個人旅行はちょっと心配。また、個人旅行のほうが割高なので、自分の条件におおむね合っているパック旅行を仕方なく探す、なんてことがよくあるのだ。でも、せっかく少ない休暇を使っての旅行、できれば自分の納得のいくプランを立てたいのは誰もが思うこと。

そんな中、話題になっているのが、「ダイナミックパッケージ」というサービスなのだ。自分の都合に合わせて出発日や移動手段、ホテルなどが選べるうえに価格はパック旅行と同程度、さらに申し込みから決済までネット上でき、旅行代理店まで足を運ぶ必要がないため、欧米では大人気のサービスとなっているのだとか。

米国ではネット上旅行販売の90%以上を占めているというこのダイナミックパッケージ、日本に導入されたのは2005年10月のこと。住友商事が全額出資するネット専門旅行会社グローバルトラベルオンライン(GTO)が扱い始め、現在ではANAセールスや楽天トラベルなど数社が参入しているのだ(JTBは、ダイナミックパッケージという名称ではないけれど同じサービス形態の「組み立て旅行」というサイトを05年6月にオープンしている)。

流行情報誌「日経トレンディ」の2007年ヒット予測ランキングで6位に入るほど話題になっているこのサービスだけど、こうした周囲の期待や欧米での人気に反して、導入から1年以上経った現在でも爆発的な売り上げ増加はしていないようなのだ。

06年6月にダイナミックパッケージ「旅作」を発売したANAセールスでは予約人数が1万人を突破し、初年度利用者を5万人程度と予測しているようだけど、J-CASTニュースは「ANAスカイホリデーの利用客が年間210万人であるのに比べれば、まだ利用客は少ない」としているのだ。また、同サイトでは「『ヒットするだろう』という言葉だけが一人歩きしていまして、実績はまだなんですよ。うちのネット取引のまだ2〜3%にすぎません。アメリカではダイナミックパッケージが主流と言っても、日本とは状況が違いますから」 というJTB広報の談話を掲載。また、年内に参入予定の近畿日本ツーリストの消極的な発言も見られるのだ。

そもそも米国で流行している要因が、団体旅行やパック旅行という概念があまりなく、ダイナミックパッケージが個人旅行に比べて便利かつ安価だということ。パック旅行慣れしている日本人にとっては、安全性や便利さの面で敬遠されがちという意見にもうなずけるのだ。旅行に対する考え方が変わらない限り、日本での海外向けダイナミックパッケージは苦戦しそうなのだ。

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