電話帳に記載された赤の他人に遺産残す、ポルトガルの男性。

2007/01/15 13:27 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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ある日、突然弁護士がアナタの訪ねてきたとしたらどうしますか? ウォール真木だったら、気付かないうちに悪事でも働いただろうかと、まず自分を疑い、その次にダンナを疑い、とりあえず逃げる準備をします(笑)。だって、ありえそうだもの……。その訪問者が、

「とある方が、あなたに遺産を残されましたので、それをお伝えに参りました」

なんてこと、まず絶対ありえないし、仮にあったとしても「どっきり」だと思うし。

しかしポルトガルの首都リスボンで、70人の住民がこの「まさか!?」と思うような出来事に遭遇したのです。同都市に住んでいたルイス・カルロス・デ・カブラル・ダ・カマラさんは、先日42歳という短い生涯を閉じられました。彼は裕福な家庭に生まれ育ったものの、結婚もせず孤独の身の上。仕事をする必要がなかった上に、これといった知人もおらず市の中心にある高級アパートで、読書や音楽鑑賞などを趣味に、ひっそりと暮らしていたそうです。

そのルイスさん。きっと人生最後にちょっとしたジョークを飛ばしたかったのでしょう。お亡くなりなる13年前、もし自分が死んだら全く赤の他人に遺産を残して、ビックリさせてやろうと思いついたのでした。そこで市役所に出向き、役人立会いの下、遺言状を作成することに。その時なんと彼は、電話帳を持参して、そこからランダムに70名の氏名をチョイス。その人物の名前を受取人として書類に記載したのです。

そこに立ち会った市役所職員は、ルイスさんに本当にこんな遺言状でいいのか? と再三確認したそう。実際彼のその時の精神状態さえも疑ったんだとか。しかしルイスさんがいたって真面目に受け答えをしているのを聞いて、その遺言状を受理。法的にも有効な書類がその場で作成されたのでした。

そして彼がお亡くなりになった後、遺産相続の知らせを受けた人々は椅子から転げ落ちるほどに驚愕。中には新種の詐欺かなにかかと疑った人もいたそう。しかしこのクレージーな話が本当だと判ると、皆さんルイスさんに感謝したとか。

ちなみにルイスさんの遺産は、住居であったアパート、ポルトガル北部にある別荘、自家用車、そして銀行預金などが含まれており、物件などを売却後、現金等で70人全員に平等に分配されることになるのだそうです。しかし彼も粋なことをしたもんだ。

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