携帯電話が手放せない「ケイチュー」、あなたは大丈夫?

2007/01/08 15:23 Written by コジマ

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技術の進化はぼくらを快適にしてくれるのだけれど、弊害という思わぬ落とし穴があったりする。テレビ中毒、ゲーム中毒、インターネット中毒がそれに該当し、家事や育児を放棄してまでのめり込む主婦が話題になったのだ。

そして、またもや新しい“中毒”が社会問題となっている。それが「ケイチュー」。携帯電話中毒のことで、四六時中携帯電話のメールをチェックし、携帯電話がないと不安になる人が増えているようなのだ。しかも、高校生の頃から携帯電話が当たり前にあった今の20代前半にとって、ハタから見て異常なこの行動も「普通」に感じるのだとか。中日新聞が「ケイチュー」のチェック項目を掲載しているので、ご紹介するのだ。

「ケイチュー」の名付け親は、椙山女学園大学言語学の加藤主税教授。同教授は、携帯電話を手放せない症状を「ニコチンやアルコール中毒と同じ」としているのだ。さて、このケイチューの主な症状は、

・携帯電話を忘れると不安になる
・風呂やトイレに携帯電話を持っていく
・着信音の幻聴が聞こえる
・なるべく(電波の)圏外の場所に行きたくない
・メールをして返事が来ないともう友達ではないと思う
・月の使用料金が5万円を超える

いやいや、この項目を見てみると、若者に限らずぼくの周りでも「ケイチュー」に該当しそうな人がたくさんいることに気づいたのだ。加藤教授によると、最近は授業中に堂々と机の上に携帯電話を置き、通話はしないもののメールを着信するとすぐに返信する生徒が多いのだとか。これもぼくが勤めていた会社では、老若男女を問わずに見られた光景だったなあ。

昨年末の日経新聞の記事によると、子供でも月の使用料金は3万円を超え、20歳未満で自由に使えるお金に占める携帯電話の料金は4割に達し、中高生を対象にしたアンケートでは「メールの返事がすぐに来ないと不安になる」が3割、「メールが届いたらすぐに返事をする」が6割だったそうなのだ。

この「ケイチュー」は米国でも社会問題になっているようで、携帯電話も含めたこうしたメディア中毒はアルコール依存症や薬物乱用、ギャンブル中毒などと同等の精神医学的問題としている研究者もいるのだとか。シカゴ・シェラトンホテルでは、携帯電話を預ける「携帯中毒リハビリ宿泊パック」を実施しているのだ。

携帯電話に依存することによって、上記のような問題のほかにコミュニケーション能力が低下するという話もある。実際に、会話をしているのに携帯電話のメールのチェックを優先する人は存外多いのだ。知らないうちに「ケイチュー」にならぬよう、意識をしたほうがよいのかも。

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