飲酒運転取締りの優秀警察官、立場逆転で泣き寝入り。

2006/12/15 11:34 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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アメリカは石を投げれば弁護士に当たるほど、あちこちに弁護士事務所がございます。オフィス街にあるのは当たり前。商店街の一角、例えば靴屋さんと手芸屋さんの真ん中に小さなオフィスを構えていることも。そういえば以前、ボーリング場を経営しながら弁護士業もそこでやっちゃうという男性のドラマがあったなぁ(笑)。

その弁護士事務所で、これまた多いのが "DUI" 専門の類。これは "Driving Under Influence" の略で、いわゆる飲酒運転のことですね(違法薬物でハイになっている状態も含むのがアメリカっぽいですが……)。で、この飲酒運転というのが結構厳しい処罰になっておりまして、1回目の違反でも最長6ヶ月の実刑判決だとか、最大500ドルの罰金、30日間の免停などのペナルティーが課されます(ミズーリの州法の場合)。

もちろん処罰は違反の回数が増えていくほど厳しくなり、3回目の違反になると、軽犯罪扱いから重犯罪として前科者になってしまうのです。なのでアメリカではDUIのチケットを切られた瞬間に専門弁護士に駆け込み、DUIを軽い罪にしてもらえるよう、裁判所との司法取引をしてもらうことが珍しくないのです。

さて、その "DUI" を含む交通違反の取り締まりなんですが、実は警察や地方自治体にとっては大切な資金源だという話も(笑)。確かに罰金高いもんねぇ。なので交通違反を厳しく取り締まる警察官ほど評価され、その功労を表彰されたり。ってことは、ウォール真木の先日のスピード違反も、しっかりあのポリスマンのキャリアの役に立ったということか……(涙)。

さてイリノイ州の警察官グレッグ・ハイカンさんも、2004年に彼の所属する郡でDUIチケットを一番発行したとして表彰されたそう。そりゃ、警察官の鏡じゃありませんか。ところがハイカン警察官、なんと先日今度は自分がDUIを受け取る側になってしまったとか。しかも彼が運転していたトラックが、前方の車に激突したことで玉突き事故となり、10人もの人々が怪我を負うという大変な事態に。同州の法律では有罪になると最長3年間の実刑判決もありえるそうで、さらに仕事を失うことも避けられません。

いつもは取り締まる側が、突然反対の立場になってしまったポリスマン。きっと、今頭を抱えて「とほほ」と嘆いているに違いありませんねぇ。

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