メンソールたばこは禁煙しにくい? 喫煙再開率が通常の2倍に。

2006/12/09 17:28 Written by コジマ

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近頃は世界的に禁煙の気運が高まっていて、肩身の狭い思いをしている喫煙者も多いのではないだろうか。公共の場での全面禁煙法を制定したアイルランドでは、米国の禁酒法時代の裏酒場のように、閉店後のレストランで夜な夜な喫煙者が集ってたばこを吸いながら酒を酌み交わしているそうなのだ。

日本は先進国のなかでも喫煙率がいまだに高いのだけれど、多くの国が採用している公共施設での全面禁煙は時間の問題となりつつある。健康面だけでなく、こうした法律が施行される前に禁煙したいという人も少なくないようで、最近話題になっている病院の禁煙外来は大盛況のようなのだ。

しかし、何度も禁煙に挑戦しても続けられない人も多い。そんなところへ、メンソールたばこを吸っている人は禁煙しにくいという研究結果が示されたのだ。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のマーク・プレッチャー助教授(疫学・生物統計学)らが行った研究によると、喫煙者1200人を超えるを対象に15年以上追跡した結果、肺や心臓、血管などに与える有害性に差はないものの、メンソールたばこの喫煙者は普通のたばこの喫煙者に比べて禁煙後の喫煙再開率が約2倍だったのだという。

米国ではこれまで、黒人のほうが白人よりメンソールたばこの喫煙率が高く(黒人約70%、白人約30%)、黒人の癌や心臓病にかかる割合が高かったため、メンソールたばこがその原因ではないかと疑われていたようなのだ。また、黒人の禁煙率の低さも話題になっていた。

今回の結果では、メンソールたばこと普通のたばこの間に病気にかかる割合の差は認められなかったのだけれど、こうした病気へのかかりやすさは、たばこの種類そのものの影響ではなく、禁煙しにくさからくるものであることが示唆されたのだ。

日本でもメンソールたばこは若者に人気があるため、こうした影響が出てくる懸念がある。禁煙の第一段階として、メンソール以外のたばこに切り替えてみるのも有効かもしれないのだ。

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