バス停でクッキーの香り、サンフランシスコに匂いを発する広告が登場。

2006/12/07 18:52 Written by コジマ

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先日、都営バスが広告枠付きの停留所を導入する話題をお伝えしたのだけれど、こうした広告面で一歩先を行く米国では、何と匂いを発するものが登場したのだとか。この新しいバス停広告は、焼きたてのチョコチップクッキーの香りがする香料入りの粘着物質(昔の雑誌などで使われていたヤツ)をバス停のベンチなどに貼り付けるというもので、サンフランシスコの5カ所に設置されているそうなのだ。

南カリフォルニアのニュースラジオ局KNX1070の記事によると、5歳の女の子が「『オレオ』だ!」と断定し、お母さんは「この香りをかぐと『スターバックス』に行きたくなるのよね」とコメントしているというから、かなり匂っているみたい。

この広告を仕掛けたのは、「Got Milk?」キャンペーンを展開するカリフォルニア州のミルク生産協会(CMPB)。「Got Milk?」キャンペーンは、「もっと牛乳を飲んで!」と訴えかけるもので、そのポスターにはこれまでにブリトニー・スピアーズやエアロスミスのスティーブン・タイラー、バック・ストリート・ボーイズ、ネリー、ウーピー・ゴールドバーグ、ジェニファー・ラヴ・ヒューイット、サッカーのデビット・ベッカム選手、フィギュアスケートのサーシャ・コーエン選手などなど、多くの有名人を起用し、みな口元を白くさせている。映画「スター・ウォーズ」シリーズのヨーダも出演しているのだ。

また、テレビCMでは骨折に悩まされている宇宙人が地球へ牛乳の調査員を派遣するものや、牛乳を飲んで鍛えられた人たちが歯で綱引きをするものなど、かなり面白い内容になっている。こうしたことからも、「Got Milk?」は米国でかなり有名なキャンペーンなのだそう。

今回の広告制作を担当した米アーケイド・マーケティング社のルイス・ザフォンテ氏は「香りは、記憶に強く残ります。ベビーパウダーやチョコチップクッキーの香りがしたら、誰でも気分がいいでしょ?」とコメントしている。

だけど、この広告に対して「貧しい者やホームレスにとって、買えないものの匂いを漂わすのは不快になるのではないか」という批判の声も上がっている。一方で、「バス停の近くで販売を始めたら儲かるかも」と新ビジネスに結び付けようとするクッキー屋さんもいるようなのだ。

ぼくは甘いものが苦手で、ワッフル屋さんなどの周辺で漂っている香りをかぐとちょっと気分が悪くなるのだけど、甘いもの好きの人にはたまらないらしい。でも、いくらクッキーとミルクが密接な関係だとはいえ、「スターバックス」に入られたのではそれほどミルクの消費が上がりそうにもない気がするのだけど……。「ラテに使われるミルクの分だけでもいい」ということなのかな。


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12月8日追記

CNNによると、この匂いを発する広告がなんと1日で撤去されてしまったようなのだ。なんでも、上記の本文にある批判のほか、アレルギーを引き起こす原因になりかねないなどバス停近隣の住民から苦情が続出したためとのこと。ダイエットしている人に対しても迷惑だったのではないだろうか。設置費用は1カ所につき30ドル(約3500円)、5カ所で150ドル。たいした被害でなくてよかったけど、コンセプトが先進的過ぎたのかな。甘いものが苦手なぼくとしては、日本に“輸入”されないでよかったのだ(笑)。

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