原料高騰で銅線の窃盗が増加、感電死のケースも。

2006/12/01 13:15 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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ビジネスの世界。どの市場にもトレンドというものがございますが、今回は多少アンダー・グラウンドな話題です。数年前から、銅の生産量が減少したせいで価格が高騰。そのために今、世界的に犯罪者の間では、この資源を盗むことが「ホット」になっているとか。

まず泥棒がターゲットにするのは銅線。廃墟となった建物や工場に忍び込んでは銅線を引っ張り出し、それを闇マーケットで売りさばくのだそうです。さらには電力会社の倉庫に保管されている電線も盗まれる場合が多く、電力産業ではここ近年セキュリティの強化に躍起になっています。

しかしこの銅の窃盗。時には泥棒も命がけ。なにしろ電力が流れている銅線まで盗み出そうとするのですから(笑)。例えばカルフォルニア州のサン・ベルナルディーノという町では、先日市内が停電になってしまい、その原因を調べていた職員が同社所有の電力ステーションで男性が倒れているのを発見。大火傷を負ったこの人物は、どうやら電力がバリバリに流れている銅線を盗み出そうとして、感電してしまったのでした。病院で治療を受けているそうですが、かなりの重症だそうです。

同様の事件は全米で起こっているそうで、死亡したケースも度々。電力会社などでは「危険なので絶対に盗み出そうとしないように!」と注意を促しているとか(笑)。なんでもボルテージの高い電力で感電した場合、瞬時に感じるショックで死亡しなくても、その後恐ろしい危険があるそうです。まず外部の皮膚に火傷がみられなくても、体内の内臓などがダメージを受けている場合が多く、直ぐに治療を受けないと危険なことになるのです。なんでも壊死が始まったら最後。体内からでる毒素で、どんどん生命を奪ってしまうのだそうです。

あまりしかし警告の甲斐もなく、銅を求める泥棒は後を絶ちません。まぁ、考えてみるとこのままこのトレンドが続けば、犯罪者が減っていくという可能性もあるわけで……。ってことは、これは自然の摂理であって「ダーウィンの法則」としては間違っていないのかも(苦笑)。

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