井川慶投手の交渉権はヤンキースが獲得、落札額は30億円。

2006/11/29 10:52 Written by コジマ

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西武・松坂大輔投手の獲得額高騰から、米大リーグでじわじわと人気が高まってきた阪神のエース、井川慶投手。日本時間の11月28日午前7時を締め切りに行われた入札では10球団前後が応札したそうで、ニューズデー紙はニューヨーク・メッツとシアトル・マリナーズを有力視していた。また、ニューヨーク・ポスト紙はDH制のないナ・リーグが有利とし、メッツを本命と見ていたようなのだ。

ところがフタを開けてみると、落札したのは松井秀喜選手が在籍するニューヨーク・ヤンキースだった。ヤンキースの入札額は、ESPNが報じていたとおり、2600万194ドル(約30億円)。AP通信が当初伝えていた2500万ドル(約29億円)より少し(1億円だから少しじゃないけど)多かった。ヤンキースはボストン・レッドソックスに松坂投手をさらわれたことがよほど悔しかったのか、メッツの1500万ドル(約17億円)を大きく上回る額だったのだ。

ヤンキースの落札は、日米コミッショナーを通じて28日午前8時に阪神や井川投手に通知されたようだけど、この報が届いたとき、井川投手は寝ていたようなのだ。もはや阪神の名物となったその図太い神経、メジャーでも成功しそうなのだ。

井川投手は、29日午前10時に開かれた会見で、ヤンキースについて「伝統のある球団で、メディアの注目もある球団。タイガースと同じようなチーム。タテジマ? 似たユニホームでみなさんも見慣れている。良かった。ライバル関係もあるし、やりがいのあるチーム」とし、移籍同期となった松坂投手については「投げ合って盛り上げれればいい。伝統の1戦? そういう場にいられるように頑張りたい」、チームメイトとなる松井秀喜外野手については「松井さんがいらっしゃるので、心強いですね」とコメントしているのだ。

また、本拠地となるニューヨークについては「行った事はない。映画で見たことがある。人がたくさんいるなという印象です」とし、落札額については「金額の多さに驚きました。昨日よりまた1歩進んだ気がします。来季に向けて、やっていかないといけない。ファンが熱いとやりがいある。期待にこたえられるよう、頑張りたい」(すべて日刊スポーツより)と、かなりご満悦のようす。

井川投手の落札額は、先日の松坂投手の5111万ドル(60億円)に比べれば劣るものの、2000年にオリックスからマリナーズに移籍したイチロー外野手の1312万ドル(当時のレートで約14億円)を大きく上回るものとなった。「金額がいくらでも受諾する」としていた阪神にとっては思いがけない幸運。そのウハウハさを隠し切れず、なんと、たった3時間で受諾を決定したそうなのだ。

これで、井川投手の穴を埋める戦力が補強できれば、井川投手にとっても阪神にとっても大成功の移籍となるのだ。でも、FAでの獲得を目指してフラれた広島の黒田博樹投手以外に、井川投手の穴を埋めるような投手はFA権を獲得していないのだけど……。

このあと井川投手は、現在交渉中の松坂投手やヤクルトの岩村明憲内野手同様、30日間の交渉期間内でヤンキースとの契約に合意すれば、正式に「ヤンキースの井川投手」が誕生する(ちなみに、代理人は松井秀喜外野手と同じアーン・テレム氏)。松井秀喜外野手のチームメイトとして、松坂投手や岩村内野手(ともにヤンキースと同じア・リーグ東地区)と対決するなんて、今からワクワクしてしまうのだ。

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