幻想的な映像と曲、優しいナレーションで京都へ誘うJR東海のCM。

2006/11/21 23:57 Written by コジマ

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ぼくが大好きなCMであるJR東海の「そうだ 京都、行こう。」。美しい春夏秋冬の映像と共に流れる幻想的な曲と長塚京三の優しいナレーション、このCMを見るたびに本当に京都へ行きたくなるのだ。そのCMをZAKZAKが分析している。

このCMが登場したのは、1993年の秋。夕陽を背にした清水寺が映し出され、「パリやロスにちょっと詳しいより 京都にうんと詳しいほうがかっこいいかもしれないな」というナレーションが流れる。今までにない趣向がぼくに鮮烈な印象を与え、なぜか涙が出るほど感動したのだ。

それから現在放送されている曼殊院の「一年なんてアッという間に過ぎていく。それじゃいけない」と、2回目の登場となった詩仙堂の「そんなに急いで 紅葉の秋に来られちゃ、ツマンナイ」まで53カ所60作品が作られている。一番多く登場したのは清水寺の3回(93年秋、01年夏、04年秋)で、詩仙堂をはじめ、金閣(鹿苑寺)、銀閣(慈照寺)、醍醐寺、知恩院、東寺(教王護国院)、平安神宮などが2回ずつ登場している。

ぼくが最も心を打たれたのは、97年秋の東福寺。寺内に架けられた通天橋からの紅葉の眺めと、「六百年前、桜を全部、切りました。春より秋を選んだお寺です」というナレーションが強烈に印象に残っていて、この東福寺の紅葉を見るために京都へ行ったこともあるのだ。そのときは11月半ばで紅葉が不完全だったのだけど。それと、00年春の毘沙門堂も素敵だったし、今年夏の三十三間堂(蓮華王院)も良かったなあ。

こうした映像やナレーションと共に京都への憧憬を盛り立てるのが、スローテンポ、アップテンポ、口笛とCMの雰囲気に合わせてさまざまにアレンジされているBGM。映画「サウンド・オブ・ミュージック」で使用されていた「マイ・フェイバリット・シングス」という曲なのだそう。厳粛な風景を躍動感たっぷりにとらえた映像にぴったりなのだ。

ニューヨークフェスティバルや全日本シーエム放送連盟から表彰されており、専門家から見ても非常に評価が高いのだそう。94年には、奈良に対する同様のキャンペーン「いま、奈良にいます。」を始めた。10年以上、変化をつけながらも基本コンセプトを変えていないこの2つのCM、これからもずっと古都へと誘い続けて欲しいのだ。

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