「電車の修理代のためにぬれ煎餅買って」銚子電鉄が異例のお願い。

2006/11/21 03:42 Written by コ○助

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千葉県の銚子駅と外川駅を結ぶ、全長6.4キロのローカル私鉄・銚子電鉄。前身の銚子遊覧鉄道時代を含めると開業90年以上という、かなりの歴史を持つ鉄道なり。1985年にNHKで放送された朝の連続テレビ小説「澪つくし」(主演:沢口靖子。最高視聴率55.3%、平均視聴率44.3%)の舞台が銚子市で、銚子電鉄もたびたび登場したことから、現在も番組名にちなんだ「澪つくし」号が運行されているなりよ。地元住民の足として、犬吠埼へと向かう観光客の足として、毎日走り続けているなりね。

でも、この銚子電鉄。現在、深刻な経営危機に直面しているなりよ。これまでも毎年2,400万円程度の赤字を出しながら何とか経営を続けてきたなりが、今年8月、前の社長の内山健治郎氏が横領をしていたことが発覚。銚子電鉄名義で借金を重ね、自分の経営する会社の借金返済に充てていたとして、業務上横領の疑いで逮捕されたなりね。その額は1億1,000万円。前社長が勝手に作った借金も、銚子電鉄が背負わなくてはならなくなったため、例年以上に苦しい経営を強いられているわけなり。

経営状態の深刻さは、鉄道車両の法定検査の費用を捻出できないほど。この現状を知ってもらい、救いの手を求めるべく、公式ホームページでは異例の「お願い」を掲載しているなりよ。それは「電車の修理代を稼ぐために、ぬれ煎餅を買って欲しい」というもの。ここでぬれ煎餅が出てくるのは、銚子電鉄が副業としてぬれ煎餅事業を行っているからなりが、どのような「お願い」なのか、その内容を見ておくことにするなりね。

◎「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」(銚子電鉄公式HPより)
銚子電鉄商品購入と電車ご利用のお願い
       
 拝啓、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 平素は、弊社鉄道事業並びにぬれ煎餅事業に対して、格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 
 さて、早速ではございますが、弊社は現在非常に厳しい経営状態にあり、鉄道の安全確保対策に、日々困窮している状況です。 年末を迎え、毎年度下期に行う鉄道車両の検査(法定検査)が、資金の不足により発注できない状況に陥っております。このままでは、元旦の輸送に支障をきたすばかりか、年明け早々に車両が不足し、現行ダイヤでの運行ができないことも予測されます。 社員一同、このような事態を避けるため、安全運行確保に向けた取り組むことはもちろんですが、資金調達の為にぬれ煎餅の販売にも担当の領域を超えて、取り組む所存でおりますので、ぬれ煎餅や銚子電鉄グッズの購入、日頃の当社電車の利用にご協力を賜りたく、お願い申し上げる次第でございます。

電車の修理代がない……というのは、鉄道会社としてはかなり逼迫した状況。通常の鉄道会社ならば「もっと利用してください」と呼びかけるところなりが、実は銚子電鉄はぬれ煎餅などの関連事業収入が運賃収入の倍もあり、会社を支えているのは関連事業のほうだったりするなりね。そのため、ぬれ煎餅や銚子電鉄グッズの購入を「お願い」しているなりよ。

この「お願い」に対し、すでにネットでは動きが出始めているようで、公式ページから購入できるぬれ煎餅や銚子電鉄グッズに注文が殺到している模様。公式ページにはこうした反響に対する「ご報告、お礼」も掲載されているなりよ。

◎ご報告、お礼
お客様自身だけではなく、当社のためにお友達兄弟などにもぬれ煎餅の購入をお願いしていただいているとご注文メールに書いてありました、またがんばれという激励のオーダーメールも、そして沢山のご注文、心にしみております。感謝しております
何よりも、全国のみなさんとつながっていることを実感し嬉しく、力強く涙が出る思いです。
まだまだがんばりますので引き続きお買上お願いいたします。
取り急ぎ皆様に、御礼申し上げます。

◎レール文鎮売り切れ御礼
このたびは、電車検査費用捻出のために、全国から沢山の皆様に応援をいただきましてありがとうございます。本日までに、ぬれ煎餅や鉄道グッズのご注文を沢山いただきましたが、鉄道グッズの内「レール文鎮」が品切れとなってしまいました。レール文鎮は古いレールを加工して製作したため現品限りとなっており補充ができません。御礼申し上げますとともに、他のグッズ購入をお願いいたします。社員も、皆様の応援に感激しがんばっておりますので、引き続きご支援くださいますようお願い申し上げます。

また、ネット以外に銚子電鉄ブランドのぬれ煎餅を購入できる場所をまとめたり、「save the 銚子電鉄」と名付けられたウィキもオープン。購入支援の動きは加速しており、現地に訪れる人も徐々に増えているようなり。

果たして銚子電鉄は無事に年を越し、苦境を乗り切ることができるのか。ネットを中心とした購入支援の動きと共に、注目しておきたいところなり。がんばれ、銚子電鉄!

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