メジャーリーグの舞台で最初にプレーをした日本人選手は、1964年の村上雅則投手（南海）。野球留学でジャイアンツの1Aでプレーをしていた際に突然メジャー昇格を言い渡されたという、本人も、南海も完全に不意を突かれた形での「日本人メジャーリーガー」誕生劇だったなりが、それから1994年に野茂英雄投手が海を渡るまでの30年間、日本人選手がメジャーの地に足を踏み入れることはなかったなりよ。

でも、メジャーを夢見る選手がいなかったわけではなく、例えば1978年には巨人で活躍した小川邦和投手が、巨人解雇後に単身渡米してメジャーに挑戦（日本人選手が自分の意思でメジャーに挑戦した初めてのケース）。2A、3Aのマイナーリーグでプレーしたものの、メジャーに昇格することはなく、日本球界に復帰（広島に入団）しているなり。また、1985年にはプロ野球史上に残る名投手・江夏豊投手がブリュワーズの春季キャンプに参加。開幕メジャー入りを目前にするも、最終的にはマイナー契約を打診されたことから、挑戦自体を断念したなりよ。

村上投手以後、野茂投手までの約30年間でメジャーに挑戦した選手はこの2人だけなりが、ほかにも1984年、当時セ・リーグを代表する守護神だった山本和行投手（阪神）が球団にメジャー移籍を直訴。ドジャースへの入団がほぼ決まり、契約条件やロサンゼルスの住居まで準備していたなりが、日本から米国への移籍に関するルールがなかったことが大きな障壁となり、最終的には断念しているなりね。また、1993年には大野豊投手（広島）にエンゼルスがオファーを出したものの、高齢（当時38歳）を理由に大野投手本人が固辞したこともあったなり。

こうした長い歴史があるからこそ、野茂投手が日本球界と揉めに揉めた末に掴んだメジャー移籍という「事実」は非常に重い意味があるなりよ。今なお「野茂投手がメジャーの道を開拓し、メジャーで活躍をしなかったら、今の日本人メジャーリーガーはいない」と言われるほど、野茂投手の功績は大きいなりよね。野茂投手以降、現在に至るまでたくさんの日本人メジャーリーガーが誕生したのは皆さんも周知のとおりなり。

さて、そんな日本人メジャーリーガー。日本の野球ファンから見れば、活躍した選手は当然にしても、活躍できなかった選手に対してもさまざまな思いや評価があるものなりが、当の米国では、どのように評価されているのかが分かるランキングが発表されたなりよ。それはメジャーリーグの公式ページが発表した、日本人選手の「活躍度」ランキング。シビアな目でランキング付けしているなり。

では、どのようなランキングになっているのか、簡単にまとめておくなりね。

◎日本人選手ベスト5（☆…現役引退。成績はメジャー通算）
1位　イチロー外野手（マリナーズ）打率.331、61本塁打、359打点、235盗塁
2位　野茂英雄投手（ドジャースほか）123勝109敗0セーブ、防御率4.21
3位　松井秀喜外野手（ヤンキース）打率.297、70本塁打、330打点
4位　井口資仁内野手（ホワイトソックス）打率.280、33本塁打、138打点
5位☆長谷川滋利投手（エンゼルスほか）45勝44敗33セーブ、防御率3.71

ベスト5は、日本のスター選手として旅立っていった選手が多い中、長谷川投手の評価が高いことは注目に値するなりよ。日本では中継ぎ投手の評価はあまり高くはないため、もともとそれほど大きな期待を背負ってメジャーに渡ったわけではなかったなりが、米国での9年間で517試合に登板した実績は、今もなお高く評価されているようなりよ。

◎日本人選手ワースト5（☆…現役引退。成績はメジャー通算）
1位　中村紀洋内野手（ドジャース）打率.128、0本塁打、3打点
2位　松井稼頭央内野手（メッツほか）打率.266、13本塁打、94打点
3位　石井一久投手（ドジャースほか）39勝34敗0セーブ 防御率4.44
4位　吉井理人投手（メッツほか）32勝47敗0セーブ、防御率4.62
5位☆伊良部秀輝投手（ヤンキースほか）34勝35敗16セーブ、防御率5.15

ワースト5のほうは「あぁ……」といったランキング（笑）。ただ、石井一久投手や伊良部秀輝投手のように、プレー中のケガや病気で実力を発揮しきれなかった選手は、少し可哀想な気もするなりね。まあ結果が全ての世界、と言ってしまえばそれまでなりが。このランキングは純粋に「活躍したか否か」だけでなく、年俸と成績のバランスを重要視しているようなり。

こういった日本人とは異なる視点から見たランキングは面白いなりね。今年も松坂大輔投手、岩村明憲内野手、井川慶投手という、日本が誇るトップ選手がメジャーリーグに殴り込みをかけるだけに、今後も発表され次第、随時チェックしていくことにするなり。