米タイム誌が歴代ベストアルバム100枚を発表、最多選出はビートルズ。

2006/11/16 02:04 Written by コジマ

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世界で最も影響のある100人」などで知られる米ニュース誌タイム。今回は、これまでに発売されたアルバムのベスト100枚を年代別に発表したのだ。最も多く選ばれたのは、当然ながらビートルズだったのだけれど、リトル・リチャードやマイルス・デイビスからエミネム、アウトキャストまで、多様なミュージシャンの作品が選ばれているのだ。

最多選出のビートルズは、60年代部門で『Rubber Soul』『Revolver』『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club』『The Beatles』(ホワイト・アルバム)『Abbey Road』の5作品が選ばれた。『Let It Be』を選んでないあたりが玄人好みの選出なのだ。でも、メンバーのソロ作品は選ばれてないなあ。プラスティック・オノ・バンドの『John Lennon』が入っているけど。

気になるところを挙げてみると、まず、リトル・リチャード『ヒアズ・リトル・リチャード』(50年代)とロバート・ジョンソン『キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース』(60年代)! うーん、センスがいい。とりあえずは押さえといて欲しいものが入っているのだ。60年代のはオールド・ロックファンが驚喜するような作品がたくさん選ばれており、初期ではレイ・チャールズの『Modern Sounds in Country and Western Music』、ジェイムス・ブラウンの『ライブ・アット・ジ・アポロ(1963)』なんてシブイものも。ボブ・ディランの『追憶のハイウェイ61』『ブロンド・オン・ブロンド』、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの『ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの『アー・ユー・エクスペリエンスト?』、ジョニー・キャッシュの『アット・フォルサム・プリズン』、スライ&ザ・ファミリー・ストーン『スタンド!』、そしてビートルズと、今の音楽の胎動を感じさせる作品が選ばれているのだ。

70年代はロックン・ロールの黄金時代。それだけに最も多くの作品が選出されている。ザ・フーの『フーズ・ネクスト』(なぜか『マイ・ジェネレーション』が選ばれていない!)、ローリング・ストーンズの『スティッキー・フィンガーズ』『メイン・ストリートのならず者』、ブラック・サバスの『パラノイド』、レッド・ツェッペリンの『レッド・ツェッペリン IV』、デヴィッド・ボウイの『ハンキー・ドリー』『ジギー・スターダスト』、スティーヴィー・ワンダーの『トーキング・ブック』『キー・オブ・ライフ』、パティ・スミスの『ホーセス』、ブルース・スプリングスティーンの『明日なき暴走』、ラモーンズの『ラモーンズの激情』、セックス・ピストルズの『勝手にしやがれ!!』、クラッシュの『ロンドン・コーリング』などなど、もうヨダレが止まらないほどの作品ばかり。ストーンズが2枚だけ、しかもどうしてその作品が選ばれているかについては、あえて突っ込まないとして……。

80年代はとても多様化している。AC/DCの『バック・イン・ブラック』やメタリカの『メタル・マスター』といったハード・ロック系から、マイケル・ジャクソンの『スリラー』、マドンナの『ライク・ア・プレイヤー』、プリンスの『パープル・レイン』といったMTV系、RUN D.M.C.の『レイジング・ヘル』、パブリック・エナミーの『パブリック・エナミー』、N.W.Aの『Straight Outta Compton』、ビースティ・ボーイズの『ポールズ・ブティック』といったヒップ・ホップ勢、レゲエ界からはボブ・マーリィの『レジェンド』、英国を席巻したマッドチェスターからはストーン・ローゼズの『ストーン・ローゼズ』、このほか、U2の『ヨシュア・トゥリー』、R.E.Mの『ドキュメント』なども選ばれていて、本当にこの時代を象徴しているのだ。でも、なぜか、チャック・ベリーが80年代になってやっと選ばれている。しかも、アンソロジー盤の『The Great Twenty-Eight』。映画「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」で盛り上がったからかな。それにしても、ビースティだったら『ライセンス・トゥ・イル』がよかったなあ。

90年は、ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』やオアシスの『モーニング・グローリー』、レディオヘッドの『OKコンピューター』、U2の『アクトン・ベイビー』のほか、N.W.Aから独立したドクター・ドレーの『クロニック』、敵対関係にあったディディ率いる東海岸グループの右腕であるノートリアス・B.I.G.の『レディ・トゥ・ダイ』、メアリー・J・ブライジの『マイ・ライフ』といったヒップホップ勢が好調で、ジェイムス・ブラウン(『スター・タイム』)やボブ・ディラン(『タイム・アウト・オブ・マインド』)も復活している。しかし、エルヴィス・プレスリーがなぜかここで初エントリー。こちらもアンソロジー盤の2枚組『サンライズ』が選ばれたのだ。

00年代は不満が残る結果となった。だって、ロック作品がレディオヘッドの『キッドA』くらいなんだもの。エミネムの『マーシャル・マザーLP』やPJハーヴェイの『ストーリーズ・フロム・ザ・シティ、ストーリーズ・フロム・ザ・シー』、アウトキャストの『スタンコニーヤ』、カニエ・ウェストの『ザ・カレッジ・ドロップアウト』なんかが選ばれているのに……。そして、プレスリー(『ELV1S〜30ナンバー・ワン・ヒッツ』)だけでなく、ブルースの神様、マディ・ウォーターズ(『The Anthology, 1947-1972』)まで選出されているのだ。

こうしてさまざまなジャンルの作品がノミネートされた今回の「歴代ベストアルバム100枚」、みなさんの好きな作品はありましたか?

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