ジェットコースターがNASAの緊急脱出路に活用される?

2006/11/06 12:54 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


アメリカ航空宇宙局(NASA)が開発し、1981年からこれまでに114回にも及ぶ宇宙飛行をこなしてきたスペースシャトル。過去2度の空中爆破事故を経験した同機のプロジェクトは、現在「ディスカバリー」、「アトランティス」、「エンデバー」の3機で続行して行われています。

ちなみに最近テキサス州の車のナンバー・プレートをじっくり見るチャンスがあったのですが、そこには小さくスペースシャトルの絵が描いてありました。あれ?スペースシャトルといえば、フロリダのケネディ宇宙センターなのに、なぜにテキサス?? と不思議に思って調べたところ、フロリダ州のケネディ宇宙センターで打ち上げられ、カルフォルニアのエドワーズ空軍基地に戻ってくる同機は、飛行時の管制塔がテキサス州のジョンソン宇宙センターにあるんだとか。てっきりウォール真木は、全て1ヵ所でまかなわれているものと思っていたのですが、勘違いだったのですね。うーむ、その分業体制を見るだけでも壮大なプロジェクトだなと感じます。

さて国際宇宙ステーションの乗組員交代や、軌道上からの衛星打ち上げ、さらに宇宙に浮かんでいるハッブル宇宙望遠鏡の修理などの作業にあたる、そのスペース・シャトルですが、2010年には運行終了が予定されています。その後は現在開発中の原子力ロケット「オリオン」がそれに取って代わり、その使用目的には月有人着陸も視野に入れられているそうです。

このオリオン宇宙船なのですが、なんでもNASAが打ち上げ時の支持タワーに面白い仕掛けを考えているのだとか。打ち上げ直前になにか非常事態が起こり、乗組員が脱出を余儀なくされることになった場合を想定し、その脱出経路になんとジェットコースターを検討しているのだそうです。高い場所から人間を安全に、さらに短時間で地上まで降ろすにはどうしたらいいのか。それを考えた結果、ジェットコースターの落下システムが一番最善だとかで、この方法が採用された場合、約9億円かけてこの脱出用コースターのレールが、実際に支持タワーから伸びるんだそうです。

元記事のリンクにはそのジェットコースターのイメージ図が載っているのですが、それによると脱出乗組員が滑車に乗り込み、まず直角にコースターが落下します。そして地上近くになるとじょじょにカーブがかかり、いずれ平行にとまるという仕組み。

それにしても、宇宙飛行士の中にジェットコースター恐怖症の人がいたらどうするんだ(笑)? あ、でも宇宙に飛び出すほどの訓練をしている人にそんなもの怖がる人いないか……。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.