42年後に食用の魚介類が消滅? 乱獲と汚染で。

2006/11/04 23:57 Written by コジマ

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マグロをはじめとした海洋資源の乱獲が問題視されているなか、カナダのダルハウジー大学を中心とした国際研究チームが、このまま乱獲と海洋汚染が続いた場合、42年後までに食用可能な魚介類のほとんどが消滅してしまうという報告を発表したのだ。

日本が昨年まで割当量を超えて捕っていたため、来年から5年間、ミナミマグロ(インドマグロ)の日本の年間漁獲割当量が6065トンから3000トンに半減されたのだけど、こうした乱獲はマグロ全体、いや、魚介類全体で問題になっているのだ。

今回の調査は、国連の食料農業機関(FAO)の1953〜03年までの魚介類の関するデータと、各大陸沿岸部の地層から割り出したもの。その結果、乱獲と海洋汚染によって生態系が破壊されつつあり、この状態が続けば2048年までに食用の魚介類が消滅する可能性があるということが分かったそうなのだ。

消滅の危険性があるのは、マグロ類からアサリなどの二枚貝、大西洋マダラ、クジラ類にまで及ぶそうなのだ。その数はピーク時の1割以下と推算されており、この量は漁獲が困難な水準なのだとか。

同研究チームは「個別の種の保護から、包括的な海洋生態系の管理へと、保護政策を転換する必要がある」(読売新聞より)と、現在の海洋資源に対する考え方を改めることを訴えているけど、FAOは「人類が何の対策も講じなかった場合の試算であり、あり得ない」()と反論しているそうなのだ。

たしかに、FAOの主張通り、この先、何の対策を講じないまま乱獲や海洋汚染が進むのを指をくわえて見ているということは考えにくいし、研究チームはなんらかの保護対策が取られている48カ国の海域も調査しているのだけど、そうした地域では生態系が保たれていて、そうした危険性はなかったという結果も出ている。だけど、今回の報告は、現在の状況がいかに深刻であるかということを表しているのだ。

魚介類と密接な関係にある日本。節度をもって捕らないと、ぼくたちの老後、もしくは子孫たちが魚を食べられなっちゃうかもしれないのだ。

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