Wシリーズ優勝のセントルイス・カージナルス、優勝パレードをレポート。

2006/10/30 14:27 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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ナショナル・リーグ中部地区を代表するチームとして、その歴史と実力で強豪ぶりを誇るセントルイス・カージナルス。特にこの数年はプレー・オフの常連となり、2年前にはワールド・シリーズ出場も果たしました。しかしその時は相手のボストン・レッドソックスに4敗するという残念な結果に……。いつもいい所まで駒を進めているだけに、悔しさも倍増です(涙)。

考えてみるとこの時点で、カージナルスが最後に得たワールド・シリーズ優勝は22年前。随分ご無沙汰ですよね……。ラルーサ監督が、選手が、そしてファンが夢見る記念すべきチーム10回目の優勝は、この時も果たせずに終わったのでした。ちなみにラルーサ氏がその優勝への願掛けをかねて、監督に就任する際、自分の背番号を「10」にしたというのは有名な逸話。

しかしその悲願のチャンスがまた今年もやってきました。レギュラー・シーズンの後半は苦戦し続け、プレー・オフも一体どこまで息が続くのか心配されたカージナルスですが、フタを開けてみるとなんと驚き。ナショナル・シリーズ地区優勝戦でサンディエゴ・パドレスに勝ち、同リーグ優勝戦では最終戦まで持ち込んだ接戦でニューヨーク・メッツを下し、そしてとうとう2年ぶりのワールド・シリーズの舞台へ。ここまで来ると勢いが止まらないカージナルスは見事に4勝1敗の成績で、地元セントルイスにて優勝を飾ったのです。いえい、やったぜ!

今年、我らのホーム球場であるブッシュ・スタジアムは建て直され、春にこけら落としがされたばかり。その新球場で迎えた最初のシーズンがワールド・シリーズ優勝……。これほどまでに「野球天国」を自称するセントルイスの人々喜ばせる結果があるでしょうか。そしてこの幸せを分かち合おうと、ファンたちがこの日曜日ダウンタウンで行われた優勝パレードに集まったのです。その数およそ500,000人。チーム・カラーである赤を身にまとった人々が、ダウンタウンを埋め尽くしたのです。

日曜日の午後。この日は10月の終わりとは思えないほど暖かく青空が広がっていました。2時開始予定のパレード会場は、朝から場所取りして待ちわびるファンでいっぱい。みんな浮き足立ちながら始まるのを待っています。わくわく。

そしてパレードが始まってまず登場したのが、セントルイスの地ビール(笑)、バドワイザーのマスコット馬である、「クライスデール」6匹がひく巨大馬車。その上でたづなを握っているのは、なんとラルーサ監督本人じゃありませんか。さすが、こういうのは演出上手です。その後は次々に登場する選手たち。家族と共に個々のトラックの荷台に乗って通過していきます。あ、田口選手もいました! 手を高く掲げ、それこそ飛び跳ねそうになりながら、体全体で喜びをファンと分かち合う彼。その笑顔にはファンの顔もほころびまくりです。しかし本当に、本当に嬉しそう。

パレードは最後まで大声援。特にマスコットの「フレッド・バード」と、トリであるシリーズMVPを獲得したエクスタイン選手が登場したころには、みんな声をからすほど、そして地を割るほどの声援が上がりました。実はエクスタイン選手はカージナルス陣の中で、一番小柄な選手。しかし今回のワールド・シリーズ中の活躍のすごさといったら、プホルス選手の上を行っておりました。

ちなみに同選手、2年前はレッドソックス所属だったため、その時はカージナルスを破った敵として、見事優勝を果たしております(笑)。まぁ、それもよしとしましょう。だって今回は我々の優勝を導いたのだから。

とにかく、24年ぶりの優勝おめでとう! 来年もこの勢いでゴー、ゴー、セントルイス・カージナルス!!

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