学校の梅の実を使った“おやじ”の手作り梅干し、午前中で完売の人気。

2006/10/29 23:58 Written by コジマ

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古代に中国から伝わり、2000年以上日本人に愛され続けている梅干し。ご飯にのせたりそのまま食べたり、焼酎に入れたり、ぼくの家庭では崩した梅干しを納豆に混ぜるなんて食べ方をしてたのだ。さっぱりとして美味しかったなあ。

しかし、手作業で作られたものや南高梅などのブランド品は、買うのを一瞬ためらうほど高い。そのため、作り方の詳細を書いたブログによると自作する人も結構いて、高級梅干しが安価にできるため、毎年恒例のように漬けている人も少なくないようなのだ。

こうした自作梅干しの究極とも言えるものが、昨年から話題を呼んでいる。その梅干しは、神奈川県川崎市にある市立日吉中学校の卒業生や生徒の父兄らの「おやじの会」が作ったもので、原料の梅の実も同校に植えてある梅の木から収穫したものを使っている。その名もずばり、「日吉中の梅干」なのだ。

“おやじ”の梅干し作りは、同会が卒業生に贈っている紅白もちの資金稼ぎの方法として、八百屋さんであるメンバーの村石修さん(現会長)が昨年に発案した。学校に立つ2本の梅の木から、毎年実が落ちて野ざらし状態だったので思いついたという。

6月に実を収穫し、7月に天日干し(土用干し)、9月にパック詰めと、すべて同会のメンバーたちが手作業で行った“おやじ”の梅干し、2年目の今年は隣にある日吉小学校からも梅の実が提供され、昨年の倍以上となる180パックを生産したのだ。塩だけで漬け込み、梅の大きさによって大中小の3種類に分け、価格は1パック200〜400円とした。

これを10月28日に行われた同校の文化祭で販売したところ、評判を聞きつけた地元の人たちが露店の前に長蛇の列を成し、昨年同様、午前中であっという間に完売してしまったのだ。

ブランド品ではないけれど、“おやじ”たちの愛情がたっぷりと詰まった梅干し、同校の関係者にとって格別な味であるに違いない。今回得た収入は、すべて卒業生に贈る紅白もちの資金として使われるそうなのだ。

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