定額音楽配信サービス「ナップスター」がスタート、月額1,280円から。

2006/10/03 20:32 Written by コ○助

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著作権を無視した「違法音楽交換の雄」として、ナップスターが世界中を熱狂させたのも今は昔。全米レコード工業会(RIAA)などに訴えられたナップスターは裁判で敗訴、サービス自体が一旦は消滅し、2002年には会社も破産。でも、知的資産を買い取った米国のソフトメーカー「Roxio(ロキシオ)」のもとで、2003年10月にはデジタル著作権管理技術(DRM)を採用した極めて合法的な音楽配信サービスを米国で開始し、いまでは米国のみならず、イギリスやドイツ、カナダなどでもサービスを提供しているなりよ。

世界に比べても音楽のマーケット規模が大きい日本について、ナップスターは合法的な音楽配信サービスを始めた頃から注目しており、たびたび日本進出の噂は流れていたなり。ただ、権利関係が複雑な日本の音楽業界ゆえ、なかなか簡単にはサービスインとはいかず、それでも何とかタワーレコードと提携して日本子会社「ナップスタージャパン」を設立したのは、昨年の夏のことだったなりね。先行するパソコン向けの音楽配信サービスがいくつもある中で、どの程度の成功を収められるのか。日本進出は「遅きに逸した」との声も少なくなかったなり。

ところが、NTTドコモがタワーレコードの筆頭株主になったことでナップスターを取り巻く環境は急変。日本最大の携帯電話キャリア向けにナップスターの音楽配信サービスを提供することが決まり、現在日本で最も成功を収めている「iTunes Store」に対抗しうる、強力なサービスになるとの評価も出始めているなりよ。5000万もの契約者を抱えるNTTドコモ向けにサービスを提供できるのは、ほかのライバルにはない、大きな強味なりよね。

そんなナップスターが、いよいよ3日22時から国内でのサービスを開始するなり。紆余曲折を経て、ようやくたどり着いたサービスイン。楽しみにしていた人も多いと思うので、どのようなサービスなのか、その概要を簡単にまとめておくなり。

◎ナップスターの概要
・料金体系は「Napster Basic」(PCのみで利用)が月額1,280円、「Napster To Go」(対応機器への転送利用も)が月額1,980円。ともにダウンロードし放題。
・楽曲やアルバムを個別でも販売。最多価格帯は洋楽が150円、邦楽が200円。
・サービス開始当初は洋楽約148万曲、邦楽約2万曲をラインアップ。
・決済方法はクレジットカードかプリペイドカード。
・配信形式はWindows Media。
・3年間の会員獲得目標は100万人。
・NTTドコモが「903i」シリーズから対応機種を大幅に追加予定(現在は「F902iS」のみ)。
・現時点の参加レーベルは276社。ただし、エイベックスをはじめ、定額制には参加していないレーベルも。

音楽配信サービスの肝となる配信楽曲数は約150万曲(洋楽約148万曲、邦楽約2万曲)。ライバルの「iTunes Store」は約200万曲なりが、洋楽/邦楽の割合からすると、ナップスターよりも「iTunes Store」のほうが邦楽が充実しているのが両者の違いのひとつなり。まあこのあたりは将来的に参加レーベルが増えれば変わってくるところなので、今後に期待したいところなりね。

注意が必要なのは、定額制を謳っているものの、一部のレーベルの楽曲は定額制の枠ではダウンロードできない点。ナップスター上にあるすべての楽曲をダウンロードし放題……とはいかないようなので、会員になる前にどのような楽曲があるのかをチェックしたほうが良さそうなりよ。「せっかく定額制で楽しもうと思ったのに」と後でガッカリすることにならないためにも、よく下調べをしておかなければ。

ナップスターの参入によって、日本の音楽配信サービスが盛り上がるのは間違いなし。「iTunes Store」と競争しながら、良いサービスを作り上げて欲しいなりね。

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