米企業が打ち上げ成功、民間宇宙ステーションがもたらす効果とは。

2006/09/28 23:58 Written by コジマ

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先日、初の女性宇宙旅行者が国際宇宙ステーションに到着したことが話題になったけど、今年7月に、米国の民間企業が宇宙に向けてとんでもないものを打ち上げていたのだ。打ち上げた企業はBigelow Aerospace社で、打ち上げたものは民間企業で初となる宇宙ステーションだったのだ。

Bigelow Aerospace社は、米企業の社長がほとんど個人出資した形で設立されたもの。同社はこれまでカザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地から何度か打ち上げ実験を行い、今年7月、大陸間弾道ミサイルを改造したロシアのドニエプルロケットを利用して試験用モジュール「Genesis I」の打ち上げに成功したのだ。

この「Genesis I」は、金属を使わないためロケット内にコンパクトに収納できることが利点で、宇宙空間に放たれると膨張して宇宙ステーションの形となるのだ。内部は摂氏26度に保たれ、太陽光発電によって電源を供給する。現在、高度約550キロの地球軌道上を順調に周回飛行しているそうなのだ。

同社は今月21日に、無人用のドニエプルロケットに代わって、米ロッキード・マーチン社のアトラスV型ロケットを友人用に改装する計画を発表。さらに、来年には別のモジュールを使った「Genesis II」、2009〜10年には有人宇宙ステーション「Genesis III」を打ち上げることを予定している。

この宇宙ステーションがもたらす恩恵は大きい。これまで弾道ロケットを利用して数分間しか味わうことができないといわれた宇宙旅行だけど、民間宇宙ステーションによって長期滞在が可能となったのだ。同社では、この宇宙ステーションと地球を結んで繰り返し飛行する宇宙船の開発も視野に入れているという。うーん、まさに漫画を読んで夢見た未来がすぐそばに来ているようなのだ。

現在、この宇宙船開発を奨励する「America's Space Prize」なるコンテストも開催中。2010年までに条件をクリアして開発できた人には、5000万ドル(約59億円)の賞金が贈られるとのこと。我こそは!という設計者はぜひ。また、「Genesis II」を打ち上げる際に宇宙空間に持っていくものも募集している。この「FLY YOUR STUFF」は、写真や記念品、企業ロゴなどをクルーが宇宙空間に持っていき、記念撮影をしてくれるのだ。先着順で、予定数が埋まらなくても11月1日が締め切りとなる。1つにつき295ドル(約3万5000円)の費用がかかるとのこと。

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