今年の就職活動を漢字1文字で表すと「楽」、売り手市場を反映か。

2006/08/29 23:04 Written by コジマ

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景気が回復しつつあるなか、不景気時の大量解雇によって人員不足に陥っている企業が多く、今や学生の就職活動は売り手市場となっている。そうした世相を反映してか、毎日コミュニケーションズが学生を対象に行った「就職活動を漢字1文字で表すと」調査の結果、今年(2007年卒予定)は「楽」という回答が最も多かったのだ。

調査は、07年卒業予定の全国大学4年生と大学院2年生の学生モニター2890人を対象に、インターネットを介して行われた(有効回答数1182)。同調査は、2000年度から毎年行われている。

学生の就職活動状況は景気回復とともに年々上昇傾向にあり、07年卒では7月末で内々定保有率が88.1%(毎日コミュニケーションズ調べ)、特に文系女子は90.1%にものぼるという。実は、「楽」は04年から3年連続で1位になっているのだけれど、今年の得票率は5.33%と、04年の4.66%、05年の4.40%を上回る結果となったのだ。

「楽」を選んだ理由として、「思っていた以上に楽だったし、いろいろな企業を回れて楽しかったから」、「たくさんの企業を受けたけど、ほとんど落ちる事がなかった。面接に行くの楽しみだったし、就職活動自体が楽だった」、「辛いこともあったけど、いろんな人に会えていろんな話が聞けて、全てためになることばかりでした。だから、私の就職活動は全体を通して『楽しかった』と思います」などのコメントが寄せられている。「楽」という字には「らく」と「楽しい」の2つの意味があり両者は似たようで違うことを指しているのだけれど、今年の学生は両方の意味で「楽」だったようなのだ。

2位は「迷」(3.98%)で、選んだ理由に「色々な企業を見て周り、ここも面白そう、こっちも面白そう、と企業を絞りきれずに就職活動を行ったから」「最終的に内々定をもらった2社のうちどちらにいくか悩んだから」とあることから、こちらも景気回復や売り手市場を反映したものと言えるだろう。以下、「動」(3.16%)、「縁」(2.62%)、「苦」(同)などが選ばれている。

就職氷河期といわれた01年の調査では、トップが「苦」(6.40%)、「耐」(5.14%)、「忍」(4.71%)など辛い1字が上位を占め、翌02年も「苦」(5.40%)、「縁」(3.89%)、「耐」(3.64%)がトップ3となっている。しかし、景気回復の兆しが見え始めた03年の調査では「迷」、「楽」、「苦」の順番となり、04年から「楽」が3年連続でトップとなっている。

こうした漢字1字からでも、就職状況の変化が読み取れて面白いのだ。ぼくが就職した00年も氷河期。1字で表すとしたら「運」か「縁」だったなあ。

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